悲しくせつないインストが好きな方にオススメ。ヒーリング音楽やニューエイジ作品としても楽しめるドラマサントラ2作品
作品名:
TBS系 日曜劇場
JIN-仁- オリジナルサウンドトラック
(2009年作品)
TBS系 日曜劇場
JIN-仁- オリジナルサウンドトラック
〜ファイナル・セレクション〜
(2011年作品)
音楽:
高見優
長岡成貢
テーマ曲がとても有名なドラマJIN-仁-ですが、当のドラマ自体実は見たことがありません。
当初は『THE 和風』というイメージでしたが、CDでじっくり聴いてみると中国伝統サウンドの色が意外に濃く、実際に楽器の二胡が参加しております。
全体的な内容もサントラとしてドラマを引き立てる作品にとどまらず、曲の長さやメロディ、曲展開など音楽作品として素晴らしく、ニューエイジ音楽としてとても充実した内容になっていると思います。
TBS系 日曜劇場 JIN-仁- オリジナルサウンドトラック
レコチョク・タワーレコード試聴あり
参加ミュージシャン
Composed & Arranged by
高見 優
(1,2,5,6,7,10,13,18,19,20,21,22曲目)
長岡成貢
(3,4,8,9,14,15,16,17曲目)
美野春樹
CDブックレットより
(ピアノ)
クラッシャー木村ストリングス
(ストリングス)
大澤明子
(フルート)
(ピッコロ)
石橋雅一
(オーボエ)
(イングリッシュホルン)
濱崎由紀
(クラリネット)
朝川朋之
(ハープ)
エリック宮城
(トランペット)
(フリューゲルホルン)
横山 均
(トランペット)
片岡雄三
(トロンボーン)
鹿討 奏
(トロンボーン)
ジョナサン・ハミル
CDブックレットより
(ホルン)
五十畑勉
(ホルン)
上間善之
(ホルン)
村中美菜
(ホルン)
ウェイウェイ・ウー
(二胡)
田代耕一郎
(アコースティックギター)
(ブズーキ)
(マンドリン)
伊丹雅博
(アコースティックギター)
高見 優
(ギター)
(ベース)
(プログラミング)
長岡成貢
(ドラム)
(プログラミング)
感動的な音楽が好みな私が聴いた場合の全体感想
🎼:高見優
🎼:長岡成貢
・ポップ感
(聴きやすくメロディアスな曲が多い)
🔴🔴⚪⚪⚪
・演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
⚪⚪⚪⚪⚪
・疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🔴⚪⚪⚪⚪
・ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
🔴🔴🔴🔴⚪
・涙腺刺激
(抒情的美メロ)
🔴🔴⚪⚪⚪
各曲感想
1,
JINー仁ー Main Title
ドラマのメインタイトルということで一番耳にする曲になっていると思いますが、映像作品を見たことがない私はこの曲の素晴らしさでCDを購入いたしました。
メロディは文句なしに素晴らしくとてもせつない世界観で、ドラマの中でのテーマ曲にとどまらず、リアルな人生での、誰もが持っている弱い部分の『辛さ』や『悲しさ』など、自分自身の身近な感情を音楽として表現してくれているようで、私を含め皆様それぞれのテーマ曲になるような曲なのではないでしょうか。
2,
南方仁のテーマ
こちらもとてもせつないメロディの曲です。
ストリングスバックにクラリネット・フルート・ピアノがとても気持ち良い曲で、主人公のテーマ曲のようですが、ドラマがどのような展開になって行き、どのような結末になるのかがなんとなく想像できるような淋しく悲しいメロディです。
個人的に欲を言えばクラリネットじゃなく尺八だったら格好良かったなと思います。
3,
哀恋歌
和風なリズムにストリングスの透き通る演奏がとても心地良く絡む曲です。
クレジットに無いのでマンドリンで表現しているのか打ち込みなのかはわかりませんが、琴のような音色が更に和風感を演出しており、篠笛・尺八的な演奏のフルートが気持ち良いです。
4,
ヒダマリの町
曲名とはうらはらにとてもダークな印象を受ける曲です。
ハープの音色が幻想的な雰囲気を演出しており、フルートとピアノの優しい演奏は癒やされまが雰囲気は暗いです。
5,
江戸の街
曲展開がとても素晴らしく、暖かく優しい雰囲気の曲です。
前半のピアノとクラリネットの演奏が好きで、後半に行くにつれだんだん盛り上がって行き、最後は優しく終わるところが、街の平和感が感じられます。
6,
医術 ー起承ー
それぞれの回で重要なシーンを彩ることが想像できる、危機迫る雰囲気がとても興奮する曲です。
中盤からメロディも勇壮で少しせつなく、個人的にはガンダム作品にとても似合いそうな戦いをイメージでき、お互いの正義をぶつけ合うような場面に合いそうな熱い曲です。
7,
医術 ー転結ー
前曲と繋がりがあることが想像でき熱い曲です。
全体的に壮大で個人的にとても大好きな雰囲気のメロディで、 こちらも戦闘をイメージできる激しいオーケストラサウンドです。
感動的なハッピーエンドが思い浮かぶような後半の静かで優しい曲調への展開も良いです。
8,
暁の時代
曲名どおりの前向きな雰囲気で、ロールプレイングゲームの勝利のファンファーレでありそうな曲です。
9,
あの夕日の向こうに
とても幻想的で中国民謡と和風音楽の中間のようなサウンドです。
ピアノの優しい演奏と鼓の音が心地良く、シルクロードを題材とした音楽によくありそうなカッコイイメロディの曲です。
10,
咲の想い
ピアノメインの優しいバラードです。
ストリングスとの絡みのバランスが良く、絶望感は全く感じさせないのに悲しい雰囲気をしっかり演出しており、人の大切な想いが伝わる曲だと思います。
11,
桶町千葉道場の男
トルコ、アラビア民族音楽のような雰囲気で、スラム街や西部劇なんかが想像できるような少しあやしいサウンドです。
ホーンのオシャレな音と民族楽器の共演が不思議な世界観で面白いです。
12,
市井の人々
とても洋風で壮大なオーケストラサウンドです。
ジブリや前期ファイナルファンタジーなんかに近いような雰囲気の明るめで、打楽器のリズムがお祭りのような雰囲気も出しており落ち着いた賑やかさの曲です。
13,
封入奇形胎児
少し不気味な雰囲気で、信じられない出来事を目の当たりにしているような場面が想像できる怖い曲です。
14,
突然の黒い瞬間
前曲に続き良からぬことが起きているような、恐怖心を煽る曲です。
リズム楽器の軽快なノリは良いです。
15,
暗闇と寂光の間で
暗い曲が続きますが、こちらは誰かが悪巧みを考えているような雰囲気のサウンドです。
ストリングスが不思議な世界観を見事に表現していて、ハープとクラリネットのSE的サウンド表現が場面演出に花を添えているのがわかる曲です。
16,
闇との契り
ドラマ・映画・アニメ・ゲームetcどのジャンルでも合いそうで、どんな場面で流れたのかはわかりませんが、悪巧み系一方その頃サウンドにピッタリだと思い、「あるある!」とニヤけてしまいました。
17,
歪みと曲線のワルツ
感動系メロディではないのですが、せつない雰囲気と暗い雰囲気がうまく共存している不思議な曲です。
感動メロディに行きそうで行かないところが逆に癖になるピアノの綺麗な曲です。
18,
大坂の蘭方医
アフリカ民族音楽とアラビア民族音楽を合わせたような怪しい雰囲気の曲です。
尺八やローホイッスルのような音で奏でられるメインの演奏が、不思議世界の演出を際立たせています。
19,
異邦人
良からぬ展開が続き打開策が見出だせないような雰囲気がとても伝わってくるようなダークな曲です。
民族音楽的要素が強く、リズム楽器の演出とピアノのリフがおどろおどろしさを演出しております。
20,
Dr.Minakata
この作品に唯一入っているバンド演奏スタイルの曲です。
エレキギターのハモリが綺麗で力強く熱いメロディがとても良く、どこか昭和の刑事ドラマを思い出させるような男臭い人情感を感じさせてくれる曲です。
21,
夕陽ケ丘
メインテーマの別ヴァージョンのような感じで、静かな雰囲気なので優しい印象を受けるのですが、トランペットの意外な挿入があったり、ピアノで進行していったりと少し明るい感じのテイストになっています。
ですが、演奏全てが優しいので全体的にはとてもあたたかく、勇壮さが取れてせつなさが少し増したように感じます。
ストリングスとピアノのバランスが良いです。
22,
新月の夜に
せつないピアノインストという感じで、エンディング的用途の曲かはわかりませんが、ハッピーエンドともバッドエンドとも表現しにくい寂寞たる世界観がとても心に沁みます。
JIN-仁-オリジナルサウンドトラック
〜ファイナル・セレクション〜
(2011年作品)
全体的にこのファイナル・セレクションの方が、1作目アルバムと同曲以外は厚みや壮大感などパワーアップしている印象なので、音楽CDとしては満足感があります。
レコチョク試聴あり
参加ミュージシャン
Composed & Arranged by
高見 優
(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10.11.12.13.14.15.19曲目)
長岡成貢
(16,17,18曲目)
美野春樹
CDブックレットより
(ピアノ)
クラッシャー木村ストリングス
(ストリングス)
大澤明子
(フルート)
(ピッコロ)
石橋雅一
(オーボエ)
濱崎由紀
(クラリネット)
朝川朋之
(ハープ)
エリック宮城
(トランペット)
下神竜哉
(トランペット)
中川英二郎
(トロンボーン)
鹿討 奏
(トロンボーン)
野々下興一
(トロンボーン)
佐藤 潔
(チューバ)
ジョナサン・ハミル
CDブックレットより
(ホルン)
上間善之
(ホルン)
五十畑勉
(ホルン)
村中美菜
(ホルン)
田代耕一郎
(アコースティックギター)
(マンドリン)
伊丹雅博
(アコースティックギター)
マユミーヌ
(女性ボーカル)
ウェイウェイ・ウー
(二胡)
髙見 優
(ギター)
(ベース)
(プログラミング)
長岡成貢
(プログラミング)
感動的な音楽が好みな私が聴いた場合の全体感想
🎼:高見優
🎼:長岡成貢
ポップ感
(聴きやすくメロディアスな曲が多い)
🔴🔴⚪⚪⚪
・演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
⚪⚪⚪⚪⚪
・疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🔴⚪⚪⚪⚪
・ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
🔴🔴🔴🔴⚪
・涙腺刺激
(抒情的美メロ)
🔴🔴🔴🔴⚪
各曲感想
1,
幕末<BAKUMATSU>
リズム楽器の緊張感のある演奏ととても勇壮なメロディが、劇中メインの場面で使われていそうな想像をさせてくれる熱い良曲です。
後半に行くにつれ少しづつ盛り上がっていく展開が素敵で、和音楽とオーケストラサウンドの絶妙な融合がとてもカッコイイです。
2,
神の許し
暗めの雰囲気で悲しさが伝わってくるメロディですが、途中のアコースティックギターの音色が若干温かみを与えてくれます。
3,
JIN -仁- Main Title
※前作品と同一音源
4,
南方 仁のテーマ
(piano&strings ver.)
ピアノ演奏で静かに進行していくので原曲より悲しい雰囲気は倍増しており、やりきれない運命みたいなものを感じる曲です。
5,
有明の月
こちらもピアノメインの静かな展開で、悲しきさだめをイメージ出来ます。
メロディはとても好みで、恋愛など人を思う気持ちが表れているせつなくもあり優しい曲です。
6,
夜が、明ける
和風な始まりから悲しいメロディで進行していきますが、中盤からはこれから困難に立ち向かう前のような勇壮な雰囲気になり、少しずつ盛り上がっていき最後はささやくように終わるところが好きです。
7,
JIN -仁- Main Title
(vocal ver.)
曲自体の一番メインになるメロディの部分に、女性ボーカルのハミングが入っております。
回想シーンなどにとても合いそうなヴァージョンだと思います。
8,
咲の想い
(orchestra ver.)
最初はとても優しい雰囲気で始まるのですが、後半に行くにつれ演奏に厚みが増していき、オーケストラならではの壮大感がとても出ています。
曲名の通り、人のあたたかさがとても伝わってくるアレンジでになっていると思います。
9,
多紀元琰
不思議な世界に迷い込んだような雰囲気のある曲です。
10,
戦<IKUSA>
進軍を感じさせる打楽器の演奏にストリングスがプラスされ、戦の最中というよりは戦前の準備段階の
緊張感を表現しているように感じます。
メロディに感動などはありませんが勢いのあるオーケストラサウンドが楽しめます。
11,
錦に御旗
始まりは前曲と一緒で緊張感のある場面を表現しているだけですが、中盤から勇壮な美メロが始まりオーケストラサウンドとエレキギターの共演がとてもカッコイイです。
曲展開もどんどん緊張感と盛り上がりが増し、いったんストリングスだけの勇壮メロディで静けさを表現した部分が入るのが臨場感を感じさせてくれ、全体的に戦いの本番が想像できるような曲になっていると感じました。
12,
南方 仁のテーマ
※前作品と同一音源
13,
明日への道
曲名から想像できるような雰囲気とは逆でピアノのせつなさ大爆発の曲です。
14,
JIN -仁- Main Title
(piano & strings ver.)
ピアノメインの演奏で、ノーマルヴァージョンから壮大さを取った感じのサウンドです。
メロディはせつないですがどこか温かさを感じるアレンジになっております。
15,
ほととぎす
アコースティックギターの優しく静かな演奏で、しんみりとした雰囲気です。
とても淋しさが伝わってくる曲です。
16,
哀恋歌
※前作品と同一音源
17,
ヒダマリの町
※前作品と同一音源
18,
歪みと曲線のワルツ
※前作品と同一音源
19,
JIN -仁- Main Title
(guitar ver.)
アコースティックギターの優しい演奏です。
完全にギターのみの演奏なので、語りべや吟遊詩人的な人物が、町や村で物語を静かに伝承していくような場面が想像できる曲です。
最後に
メインタイトルなどとても壮大で感動できる曲もありますが、全体的に悲しいさだめを表現したようなせつないメロディが多いので、実際のドラマのシーンを頭に浮かべながら思い返して音楽で感動する方が向いているサントラだと感じました。
実際ドラマの内容を大まかにしか知らない私でも、音楽作品としてじっくり聴くことが出来、好きなサントラですが、世界観が少し限定されすぎている感じもするので、せつないメロディが苦手な方には音楽作品としてオススメは出来ないと思います。
映像作品の思い出に浸るにはとても素晴らしいCDだと思います。
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