ラテン音楽ベースの、哀愁感たっぷりのメロディがロックに乱舞!日本歌謡な世界観をインストゥルメンタルで感じる1作品。
哀愁あふれるちょっぴりせつないメロディのインストゥルメンタルと言ったら、ラテンピアニストの松岡直也さんが一番に浮かんできます。
そして時代が進んだ現代でも、わたくしの中ではナンバーワンになっております。
自身ドンピシャな世代ではありませんが、当時父親兄弟が揃ってフュージョンを聴いていたので、松岡直也サウンドも自然と耳に入ってくる環境で育ってはいます。
日本的メロディとラテン音楽の融合というのは、リリースされた作品の中で1曲など当てはまるものがあったというのは、どのミュージシャンでもある事だと思いますが、それを主体としていた演奏家は松岡直也さん1人だけなのではないでしょうか。
ブームというわけではないと思いますが、昭和歌謡など昔の音楽が自分に合い、好きになった若い世代の方もいるようですので、松岡直也さんを知らない若い方でフュージョン好きには是非オススメしたいです。
こちらの作品は、1985年当時の代表曲と言えるものが収録されており、リマスターされた良い音で松岡直也さんの音楽世界を楽しめるので、曲数としては7曲と少ないですが初めて聴く方にはとても良い作品だと思います。
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
🎼:松岡直也
(聴きやすさ)
🩷🩷🩷🩷🤍
全曲文句ないメロディック・フュージョンですが、ラテン音楽なので聴きやすさという意味で4つにしました。
(抒情的美メロ)
🩷🩷🩷🤍🤍
この作品収録曲は、グルーヴとメロディのバランスが良いものがメインとなっていと感じます。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🩷🩷🤍🤍🤍
松岡直也さんの場合、ライブヴァージョンだと物凄く乱舞するのですが、アルバムに収録される状態のものは、ソロパートなどそこまで派手にはなっていない印象です。
(壮大・神秘・幻想的)
🤍🤍🤍🤍🤍
ファンタジックな部分はこの作品には無いです。
(勇壮な鼓舞サウンド)
🩷🤍🤍🤍🤍
世界観としてヒロイックな部分はないのですが、ギターパートのメロディが少し勇敢さを感じさせてくれます。
(民族音楽的要素)
🩷🤍🤍🤍🤍
ラテン音楽というのはメジャーなジャンルとして確立されていますが、大きく括った場合民族音楽なので1付けました。
この作品収録曲でゆっくりテンポのバラードはないです。
踊れるほどの疾走感ではありませんが、全てがノリの良いミディアムテンポ以上のものが集まっております。
歌謡曲やJ-POPのようなわかりやすい展開の曲が集まっています。
タワーレコードとレコチョクは試聴できます。
この作品演奏家
松岡 直也
CDブックレットより
(ピアノ)
(シンセサイザー)
高橋 ゲタ夫
(ベース)
津垣 博通
(フェンダー・ローズ)
(シンセサイザー)
広瀬 徳志
(ドラム)
多田 牧男
(ドラム)
マーティン・ウィルウェバー
(ドラム)
和田 アキラ
(ギター)
是方 博邦
(ギター)
土方 隆行
(ギター)
ウィリー長崎
(ティンバレス)
菅野 慎吾
(コンガ)
田中 道明
(コンガ)
各曲感想
1,
MI AMORE(Instrumental)
中森明菜さんに提供した曲の松岡直也ヴァージョンで、作曲者ということからある意味オリジナルにあたるサウンドになるのではないでしょうか。
明菜さんが歌う歌詞有りのヴァージョンにとても近く、イメージが崩れることなくラテンフュージョンとしての表現が少し強くなっている印象です。
歌謡曲的な哀愁と情熱的なラテンサウンドが綺麗に融合しており、ピアノは1番にあたる部分の最初にメインメロディを弾きますが、全体的にはバックで力強くサポートし、エレキギターとシンセサイザーがメインをつとめるとても格好良いサウンドとなっております。
2,
A FAREWELL TO THE SEASHORE(Re-Mix)
晴天というよりは少しどんよりとした天気がイメージされ、何か悲しい出来事の後のような雰囲気が感じられる曲です。
ラテン色は弱いシンプルなピアノインストゥルメンタルといった印象で、ピアノがメインの美しいメロディと、イントロと途中途中に出てくるループメロディが耳に残ります。
エンディングに向け、エレキギター参加で盛り上がっていくところがとても好きです。
3,
CHILLON-WELCOME(Re-Take)
こちらも2曲目に近い雰囲気で少し淋しいスタートですが、曲が進むにつれほがらかな雰囲気が強くなって行きます。
ゆっくりなテンポでありながらパーカッションの疾走感が意外にあり、弾むようなリズムなどダンサブルな印象も受けゆったり散歩などに合いそうです。
馴染みやすいメロディとほんわかした世界観で、優しくポップなピアノインストゥルメンタルになっております。
4,
SUNSPOT DANCE(First Take Version)
松岡直也さんの曲で個人的に一番好きな曲で、哀愁感と勇敢なメロディがラテンならではの明るく力強いリズムと見事に融合した素晴らしい曲です。
こちらのFirst Take Versionは疾走感が少し劣り派手さはないのですが、その分重厚感が強くドシドシと身体に響くリズムが気持ち良いです。
泣きのギター演奏と存在感のあるベース演奏が特に格好良く、ラテン色を生み出すパーカッション演奏と合わさることで、演奏風景までしっかりと想像できるような勢いのある名曲です。
5,
LONG FOR THE EAST
過去の思い出などに浸りながら、しんみり聴きたいような少しせつない雰囲気と、何かに覚悟を決め前向きに歩んでゆくような力強さも感じられるメロディの曲です。
こちらの曲もラテン色はほぼ無く、シンプルに綺麗なピアノインストゥルメンタルといった印象で、歌詞を付け歌ものにしても合いそうな聴きやすさもあります。
6,
THE SEPTEMBER WIND 1985
ラテン音楽といってイメージするような派手さはないのですが、パーカッションのノリの良い演奏とトランペット音も所々入った気持ちの良いリズムと、情熱的で可憐なメロディのピアノ演奏が合わさった格好良い曲です。
後半の、規則的なベース演奏にあわせてピアノソロとギターソロがくる部分が聴きどころです。
7,
ONE LAST FAREWELL(Re-Take)
松岡直也さんの作り出す音楽の世界観が全て詰まっている印象で、ラテン色のとても強いメロディック・フュージョンとなっております。
ロックも感じられるギターと、比較的複雑で心地よいベースに、パーカッションの存在感ある演奏がにぎやかに重なり、ラテン音楽のピアノリフがバックで乱舞する素晴らしい曲です。
哀愁ある勇壮なメロディも特徴的で、バックが分厚いラテン演奏であっても非常に聴きやすく、踊れるくらいのカーニバルサウンドと、拳を突き上げたくなるようなロックさが格好良く融合しております。
最後に
今回ご紹介したのは、1985年の初回リリース作品をリマスターした2017年発売商品です。
同作品は何度か再リリースされていますが、こちらは音がとても良くなっており楽器一つ一つの音をしっかり楽しむことができると感じました。
松岡直也サウンドがストレートに気になっている人や、メロディ重視の聴きやすいラテンを求めている人などへの入門編としても凄くオススメだと思います。
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