エレクトリック・ギターの速弾きが1音1音ハッキリと脳に突き刺さる!!キーボードとのバトルも多めなHR/HMインストゥルメンタル。1作品
作品名:
YOUPLAYHARD
ミュージシャン:
SYU
(GALNERYUS)
インストゥルメンタルが好きという方は、ただ単純に歌が無いのが好きという人もいるとは思いますが、多くの人が楽器演奏を見る・聴くというのが好きなんだと思います。
そして、皆様それぞれ好きな楽器と好きな演奏家がいると思います。
今回紹介するHR/HMジャンルは、ギターの名プレイヤーが沢山存在し、好みもそれぞれ分かれてくる中で、『速弾き』というものがジャンルを盛り上げてくれているプレイスタイルの一つだと思います。
そんな速弾きの中でもプレイヤーによって様々で、滑らかで流れるような音を奏でる人や、1音1音突き刺さるように響いてくる人など、プロの演奏家が聴いて気づくような細かい演奏テクニックではなく、素人が聴いてもハッキリと違いがわかるような部分です。
GALNERYUSのギタリストであるSYUは速弾きをはじめ、それ以外でも全ての音が1音1音力強く奏でられている印象です。
速さだけを追求したら、おそらく実際出している楽曲で感じる何倍も凄いことができるんだと思いますが、あえてそうしていないようにも感じます。
1音1音ハッキリと独立して、マシンガンのごとく連続して耳に突き刺さってくるような、速弾きの限界を追求しているのかもしれません。
哀愁あるメロディを作るのも特徴で、日本人臭さみたいなものをとても感じるスーパープレイヤーです。
激しさでストレス解消にもオススメだと思います。
演奏ミュージシャン
(CDブックレットより)
SYU
ギター
ベース(Tr.2,4,6,7)
Samples
楽器 | ゲストミュージシャン | 参加曲 |
キーボード ハモンドオルガン | YUHKI | 1,2,3,5,8,9,10 |
ベース | TAKA | 1,3,5,8,9,10 |
ドラム | FUMIYA | 1,3,5,9 |
ドラム | jun-ichi | 8,10 |
ドラム | KATSUJI | 2,6 |
ドラム | Yasuhiro Mizuno | 4,7 |
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
(聴きやすさ)
比較的聴きやすい曲が揃っていますが、ヘヴィメタルバンドのギタリスト作品というのもあり、テクニカルに比重を置いています。
(抒情的美メロ)
GALNERYUSで聴かせてくれるような、感動的なメロディは部分的に感じられるものの、1曲がまるまる涙腺を刺激してくれるようなものはありません。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
演奏乱舞が今作品の聴きどころになっていますので、ギターとキーボードの乱舞メインで楽しめます。
(壮大・神秘・幻想的)
GALNERYUSの作品内でたまにあるような、シンフォニックでファンタジーな世界観の曲はありません。
(勇壮や鼓舞メロディ)
SYUさんらしいヒロイックで熱いメロディは、それぞれの曲内できちんと奏でてくれています。
ですが、曲が始まって終わるまで全てがヒロイックなものは、個人的な感じ方だと1曲だけでした。
(民族音楽的要素)
多才なギタリストだと思うので、民族音楽的要素もあっておかしくないとは思いますが、全くありません。
テンポとしての疾走感は弱い作品ですが、演奏の疾走感は期待通り素晴らしく、とにかくテンションが上がります。
スピードメタルが少なかったので星4。
ストーリー性を感じさせてくれる展開は無く、演奏家の技バトルといった感じでテクニカルに繋がっていく展開がたっぷり楽しめます。
Recommended Works

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🎼:SYU
各曲感想
1,
SPEARHEAD
鉄琴系の音色で、荒廃した大地を思わせるような寂しいメロディイントロから、ダークなギター演奏で幕を開け、出だしのメロディを哀愁あるギター演奏へと変え激しく駆け出します。
哀愁とダークが交互に混ざり合い、ギターとキーボードの掛け合い、ハモリ、ユニゾンがとても格好良いです。
2,
HOLD YOUR TONGUE
メロディを細かく刻むテクニカルな演奏が全体的に聴ける曲です。
力強く思いツーバスのリズムが心地よく、テクニカル重視のメロディック薄めな部分と、熱く勇敢でメロディック濃い部分がバランス良く押し寄せて、最後はしっかり疾走感と勇壮感で締めてくれます。
3,
CIVAMALLOSSO
テクニカル重視の曲で、長い短いはありますが、ギター、キーボード、ベース、ドラム全ての見せ場がある曲です。
キーボードからベース〜ドラムへと続くソロの繋がりがとても印象的で、しっかりと熱いメロディも途中に挟んであり良いです。
4,
BLIND OBEDIENCE
一歩一歩踏みしめるような力強さと、良い意味でまとわりついてくるような粘り気のあるギターの高温が特徴な曲です。
ドラムのリズムも癖になり、自分自身も体を動かし刻みたくなります。
5,
JAPAN
1960年代半ばのブームになっていたエレキサウンドにあるような、迫りくる鋭い雰囲気が感じられる曲だと感じました。
短い曲なのですがしっかりとギター、キーボードバトルがありテクニカルな演奏も楽しめます。
曲名に関しては個人的に全く連想できる要素が感じられませんでした。
6,
NAKED
テクニカルなファンク・ロックを聴いているような感じの曲です。
後半にミディアムテンポの中で、速弾きと技巧演奏をぎゅっと詰め込んだ感じの流れが好きです。
7,
SUDDENLY
ブラストビートに乗せ淡々と刻まれるリフと速弾きから、サビにあたる部分で一気にアニメの主題歌のようなヒロイックメロディが顔を出すところが好きです。
そして、気が付くと後半ではクラシカルなメロディも現れ、とても聴きごたえのある格好良い曲です。
8,
CHAIN OF DISTRESS
シンセのヴァイオリン音で、せつな勇壮メロディの静かな始まりから、SYUの代名詞とも言える哀愁・泣きメロディへと展開していく、素晴らしいバラード曲です。
GALNERYUSのカヴァーですが、インスト好きなわたくしにとってはもちろんこちらの方が最高です。
悲しい感動系と、勇敢なメロディの絶妙な中間を行くサウンドにうっとりしてしまいます。
9,
MY ANOTHER WHISPERING
ドラゴンクエストのお城ミュージックのようなイントロから、哀愁感たっぷりのメロディック・メタルへと展開していきます。
ストリングス風味のシンセバックに、隙間なく刻まれるギター音をたっぷり浴びながら、サビで一気に歌謡曲感ある雰囲気で泣きのギターを聴かせてくれます。
10,
ENDRESS STORY
GALNERYUSの曲をインストにアレンジしたものになっております。
歌メロをただなぞるのではなく、しっかりとオリジナル感のあるアレンジになっていると思います。
スピードメタルの疾走感と、せつなく、熱く、哀愁あるメロディがたっぷり味わえ、ヒロイックな世界観のある格好良い曲で、ファンタジックな演出が控えめなので、現実世界で頑張っている人の応援曲にも最適だと思います。
もちろんギターの速弾き技巧プレイ、キーボードソロなど、演奏面でも盛り上がる部分がたくさん出てきます。
最後に
技巧プレイはもちろん、演奏の魅せ方も素晴らしいSYUさんでありますが、こちらの作品はGALNERYUSで見せる鋭く激しい部分が少し弱い印象で残念です。
聴く側の勝手な要望ではありますが、GALNERYUSの曲のソロでみせるような、「体力もたないでしょっ?」や「指どうなってるの?」と心配してしまうような、技巧プレイがたくさん詰まったインスト作品を是非ともお願いしたいと図々しく思ったりしています。
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