旧タイトルながら今聴いても心地良い!爽やか美メロなフュージョンタイプのゲームミュージック1作品
<作品名>
パーフェクトセレクション グラディウス
<アーティスト>
Nazo2プロジェクト
(1991年作品)
宇宙ファンタジーサウンドというイメージで、私が一番先に頭でイメージできるのがコナミの人気シューティングシリーズ、グラディウス前期(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、沙羅曼蛇の世界観です。
『宇宙』だけで言うと、映画などで沢山イメージできるものはありますが、その中で使用されている音楽は意外にオーケストラサウンドが多く思えます。
私個人的な感じ方ですが、オーケストラサウンドだとそれだけを聴いて宇宙は連想するのは難しく、暗く星々輝く空間はなかなか浮かびません。
物事を吸収しやすい小学生・中学生時代に出会ってプレイしていることも、宇宙を連想させてくれる音楽がグラディウスサウンドとなった要因のひとつなのかもしれません。
グラディウスシリーズ前期(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)や沙羅曼蛇は、ダークな曲ももちろんありますが、それぞれのタイトルを象徴する曲は、クリーンで爽やかなフュージョン系の曲が飾っており魅力の1つだとも思います。
そんな”THE グラディウス”なサウンドを期待通りの直球フュージョンアレンジで楽しめるのが、今回紹介する作品になります。
ポイント
T-SQUARE好きにオススメ
全曲聴きやすい美メロですが、感動的な曲はない。
演奏家を起用して制作されていますが、旧作のためサウンドは地味め。
メンバー
SOUND PRODUCE
Nazo2プロジェクト
なぞなぞ鈴木
(ギター)
入江 純
(アレンジ)
(キーボード)
松武秀樹
(シンセサイザー)
CDブックレットより
<ゲストミュージシャン>
CDブックレットより
溝口 肇
appears courtesy of Sony Records
(チェロ)
JAKE H.CONCEPCION
(ソプラノサックス)
玉木宏樹
(ヴァイオリン)
感動的メロディが好みの私が聴いた場合の感想
🎼:Nazo2プロジェクト
ポップ感
(聴きやすい曲が多い)
🔵🔵🔵🔵🔵
演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🔵⚪⚪⚪⚪
疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🔵🔵🔵⚪⚪
ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
🔵⚪⚪⚪⚪
涙腺刺激
(抒情的美メロ)
🔵⚪⚪⚪⚪
各曲感想
1,
Introduction〜King of Kings
(グラディウスⅢ)
デジタルオーケストラで宇宙をイメージしやすいメロディを表現しております。
安堵の空気漂うスクランブル前という感じで、そこに少しの勇壮さがプラスされているようなスペースファンタジーでよくありそうなメロディです。
2,
Sand Stom
(グラディウスⅢ)
グラディウスシリーズらしい軽快で明るいメロディをフュージョンアレンジで聴かせてくれています。
曲の展開もしっかりしており、泣きのギター演奏からのキーボードへの流れなども聴いていて気持ち良いです。
全体的にはギターメインで、超絶技巧プレイは無いですが終始弾きまくりという印象です。
3,
Crystal World
(グラディウスⅡ)
透き通るような空間をイメージしたようなクリアなサウンドです。
ソプラノサックスの音色が気持ち良く、ソロ演奏パートもありサックス奏者の作品のようです。
4,
Cosmo Plant
(グラディウスⅢ)
宇宙的なイントロからチェロの演奏が入り、キーボード演奏からギター演奏など短い間にそれぞれの楽器が登場し、チェロとキーボードのユニゾンなど、メロディは淡々と進んでいきますが演奏は豪華です。
5,
Prelude pf Legend
(グラディウスⅢ)
私の中で一番グラディウスのイメージに合っていると思う曲です。
アレンジこそそんなに変わってはいませんが、弦楽器主体になっていて雰囲気にだいぶ高級感があります。
フレンチポップのようなカフェサウンドというような感じもあり、とても新鮮なアレンジになっております。
6,
Into Hostile Ship
(グラディウスⅡ)
8bitハードの懐かしい音源を再現したような音でグラディウスらしいサウンドになっております。
キラキラした雰囲気とシンセのクリアな演奏・軽いSEで宇宙らしさがとても出ています。
7,
Farewell
(グラディウスⅡ)
グラディウスシリーズの中で有名なエンディング曲になりますが、民族音楽風にアレンジされております。
原曲のメロディを活かしつつ、中近東の民族音楽のような世界観で不思議な世界に誘われます。
私個人的には壮大な感動系にアレンジしてほしかったので少し残念です。
8,
Free Flyer
(グラディウス)
当時FC版グラディウスをプレイしていて、どちらかと言うとダークなイメージの宇宙シューティングゲームの雰囲気の中で突然真逆の明るいBGMが流れて、不思議な違和感を感じたのを今でも覚えています。
90年代前半のダンスポップのようなスタートから、ギターの爽やかな演奏でおなじみのメロディを奏でていきます。
軽いギターソロも有り軽快なフュージョンサウンドになっております。
9,
Challenger 1985
(グラディウス)
ゲームをプレイしていて一番聴いたであろうこちらも名曲です。
なんとなく前期のTM NETWORKを感じさせるような雰囲気になっており、ホーンセクションをフィーチャーさせた音作りにファンキーなギター演奏が絡むカッコイイアレンジになっております。
10,
Try to Ster
(グラディウスⅢ)
グラディウスシリーズの中で私が一番大好きな神曲です。
ソプラノサックスがメインで爽やかなアップテンポのフュージョンアレンジになっております。
短いですがギターソロがあり、サックスのメインメロディにつながるところや、最後まで一気に突っ走る感じが良いです。
アレンジで言ってしまうと、違うアルバムに収録されているヴァージョンがNo.1なのですが、今作ヴァージョンのようなゴリゴリのフュージョンも貴重だと思います。
11,
Burning Heat
(グラディウスⅡ)
グラディウスⅡのメインテーマと言っても過言ではないくらいの名曲です。
こちらは上質なギターフュージョンとなっており、良い意味で無駄を省いたギター一色なのが気持ち良いです。
是方博邦さんの作品でありそうなカッコイイアレンジで、ギターソロの激しさや泣きのプレイが最高です。
12,
Return to The Star
(グラディウスⅢ)
ラストらしいエンディング感のある選曲で曲展開も素晴らしく、スタートはチェロの静かな演奏から、ドラムが入り賑やかになり興奮が湧き出します。
チェロメインで奏でているせいもあって、勇壮さもいい感じでプラスされている素晴らしいアレンジです。
最後に
昔のコナミサウンドはとても評価が高いというのはよく耳にし、私もそう思うのですが、当時のゲーム内で使用されている、ファミコンの通称ピコピコ音源で高評価なわけですから、私も含め多くのファンが熱狂していたのは言うまでもありません。
私は小学生の頃からT-SQUAREのようなフュージョンが好きだったので、ゲームの中で流れるこんな曲やあんな曲が、生演奏で聴けたらと常に考えていました。
今回紹介の作品をはじめ、コナミさんは私の願いを聞いていてくれたかのような、どストライクのアレンジ作品を沢山制作してくださいました。
当時ゲームミュージックのアレンジ作品では、コナミの作品と日本ファルコムの作品を沢山聴いていたので、今でも幼い頃のときめきが蘇ってきます。
ゲームミュージックというカテゴリーが、一部のファンにしか受け入れられていなかった当時であの人気だったので、認知と素晴らしさが全世界に広まった現代では、もっと活気づいてよいと個人的には思います。
ハードの性能が上がった現代ではサントラで事足りるのもありますが、曲が短くなってしまうという難点があるので、せめて名曲集などのセレクト作品を、しっかり1曲1曲をを独立させ収録したアルバムなどを定期的に出してほしいものです。
今やそれを必ずやってくれるのは、日本ファルコム1社のみになってしまっているような気がします。
残念です。
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