古き良き名曲たちの、様々なクリエイターアレンジが楽しめるゲームミュージック集。旧作2作品
音楽:
コナミ矩形波倶楽部
作品名:
KONAMI GM HITS FACTORY Ⅰ
(1993年作品)
作品名:
KONAMI GM HITS FACTORY Ⅱ
(1993年作品)
わたくしの好みは、基本的に生楽器で演奏されたメロディアスなバンドサウンドになりますが、そんな好みが形成され始める初期に当たる中学生時代は、毎月CDを1枚買うのが限界の小遣いでした。
インターネットが普及していない時代であるこの頃は、雑誌のコメントとCD帯のコメントを頼りに音楽の内容を判断しなくてはならなかったため、自動的に内容の大体わかるゲームミュージックのアレンジ作品にハマっていました。
実際背伸びをして、ジャズコーナーで良さそうなジャケットとコメントのCDを買い、全く好みではなく2500円(当時はノーマルなアルバムの価格が税抜き2500円)が吹っ飛んだっ!と大ショックだったこともあります。
そんなCDを沢山購入することが出来なかったガキの頃に、色々な作品のアレンジが聴けて大変重宝したアレンジ音楽集2作品になります。
2作品ポイント
・複数のアルバムから厳選されたコナミの人気ゲームのアレンジ曲が楽しめる。
・Ⅰは普通のベストですが、Ⅱは更にこのアルバム用にエフェクトなどNEW MIXされたヴァージョンも収録。
・当時はゲームミュージック界でトップと言っても過言ではない実力が、余すところなく収録。
KONAMI GM HITS FACTORY Ⅰ
記載されていたアレンジ担当者
感動的メロディーが好みの私が聴いた場合の全体感想
🎼:コナミ矩形波倶楽部
メロディアス
(聴きやすさ)
🟡🟡🟡🟡🟡
涙腺刺激
(抒情的美メロ)
⚪⚪⚪⚪⚪
演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
⚪⚪⚪⚪⚪
曲展開
(←シンプル・複雑→)
🟡⚪⚪⚪⚪
疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🟡🟡⚪⚪⚪
ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
⚪⚪⚪⚪⚪
ファンタジック
(壮大・神秘・幻想的)
⚪⚪⚪⚪⚪
各曲感想
1,
グラディウス
(コナミ・ゲームミュージック Vol.1)より
グラディウスのゲームスタートから1ステージの曲になります。
パロディウス的なテイストのアレンジになっており、ピコピコしたコミカルな印象ですがリズム部分はしっかりとドラムセットでの演奏を模しており、デジタル感の中にバンド演奏感もあり良いです。
2,
ツインビー
(コナミ・ゲームミュージック Vol.1)より
ステージBGMのアレンジで、パワーアップした時のBGMは入っていないので、純粋に曲自体の雰囲気が楽しめます。
ベースパートのリズムが癖になり、こちらもしっかりとドラム演奏を模しているので、爽やかなフュージョンを聴いているようです。
アレンジされているとはいえ、あらためて聴くととても良い曲です。
3,
ギャラクティック・ウォーリアーズ
(コナミ・ゲームミュージック Vol.2)より
原曲の感じを残しつつ、とても明るくおもちゃ箱をイメージ出来るような楽しいアレンジになっております。
テンポとリズムが心地良いです。
4,
サーカスチャーリー
(コナミ・ゲームミュージック Vol.2)より
バンド演奏を模したアレンジにはなっておりませんが、とても楽しいアレンジになっております。
サーカスのピエロ演目を間近で見ているような演出が感じられ、ストーリー性もあるメルヘンチックな印象を受けます。
5,
Vampire Killer (悪魔城ドラキュラ)
(コナミック・ゲーム・フリークス)より
旧作ということもあって派手なアレンジではなく、原曲に忠実なデジタルロックが楽しめます。
曲名は『Vampire Killer』となっていますが、1曲分ではなくメドレーになっており、シンプルなサウンドのおかげでホラー感を格好良く表現できていると思います。
シンプルで短いですがギターソロもちゃんとあり、わたくしはとても好きなアレンジです。
6,
Space Romancer (謎の壁)
(コナミック・ゲーム・フリークス)より
とてもポップで爽やかなフュージョンアレンジになっております。
楽しく明るいキーボード演奏がイメージでき、クリーンなエレキギターの演奏とライトなソロもあり充実した内容だと思います。
7,
もえろツインビー
(コナミック・ゲーム・フリークス)より
原曲を少し崩したアレンジになっております。
途中途中にゲーム音源が出てきたり、マリンバの音を使用していたりと陽気な雰囲気とカワイイサウンドがとても癒やされます。
8,
Captain James (グラディウス2)
(コナミ・ゲームミュージック Vol.4)より
曲展開とグラディウスらしいメロディが堪能できるアレンジになっております。
MSX版のメドレーということですが、ひとつひとつの曲がとても格好良く、キーボードとエレキギターのバランスがとても良く、ギターソロの部分は古川節が心地よいです。
9,
Street Collection (F1スピリット)
(コナミ・ゲームミュージック Vol.4)より
ピアノ音をメインとしたアレンジで、優しく少しシックな雰囲気のバラード的フュージョンサウンドとなっております。
ゲームミュージックながらアダルトな雰囲気のメロディを持ってくる、当時のコナミサウンドが高評価だった理由がわかる気がします。
10,
Racing Hero (レーサーミニ四駆)
(千両箱)より
10曲目に来て一気にアレンジのレベルが上がります。
軽快なリズムとサックスを模した音で、疾走感のあるフュージョンとなっております。
中盤からはサックスとエレキギターの掛け合いも入り、交互にソロを入れたりと内容の濃いサウンドになっています。
11,
Tiny Boy (ツインビー3)
(千両箱)より
実際のフュージョングループの曲と言ってもおかしくないアレンジになっております。
メロディも、ツインビーシリーズらしい空をイメージしやすい世界観がとても心地よく、こちらもしっかりとギター演奏とソロがあり、生楽器の演奏が組み込まれている良曲です。
余談ですが、当時は9,10,11曲目を聴くためにこのベストアルバムを買いました。
確か中学生だったわたくしの小遣いでは、千両箱が高額で買えなくてこのベストをⅠとⅡでわけて買い我慢したと記憶しております。
今となっては、小遣いを貯めて千両箱買っとけばよかったと思いました。
自分のことですが、たぶん貯めるとか我慢できなかったんでしょうね。(笑)
KONAMI GM HITS FACTORY Ⅱ
記載されていたアレンジ担当者
感動的メロディーが好みの私が聴いた場合の全体感想
🎼:コナミ矩形波倶楽部
メロディアス
(聴きやすさ)
🔵🔵🔵🔵🔵
涙腺刺激
(抒情的美メロ)
🔵⚪⚪⚪⚪
演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🔵🔵🔵⚪⚪
曲展開
(←シンプル・複雑→)
🔵⚪⚪⚪⚪
疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🔵🔵🔵⚪⚪
ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
🔵⚪⚪⚪⚪
ファンタジック
(壮大・神秘・幻想的)
🔵🔵⚪⚪⚪
各曲感想
()内は収録アルバムタイトル
1,
In The WindーNew Mixー
(グラディウスⅢ)より
イントロからガッツポーズをしたくなるようなメロディで始まり、爽やかなメロディックフュージョンが展開されていきます。
フュージョンを専門とされているグループではなかなか無いメロディアスさと、ゲームミュージックだからこそ出来るファンタジックさが見事に融合した、宇宙のイメージを想像させてくれる曲となっております。
当時はTHE SQUAREぐらいしかやってくれないと思っていたサウンドが、とうとう違うところで出会えたと大感動し、同時にコナミサウンドの虜になっていくスタートとなりました。
2,
Hit and away
(グラディウスⅢ)より
こちらも1曲目と同じく本格的なフュージョンアレンジとなっており、メドレー形式で実際のゲーム進行を模しており、多彩な世界観が味わえます。
出発の雰囲気から異空間的な展開になり、最後に一時の休息的な爽やかギターフュージョンで締める、宇宙を舞台にしたシューティングゲームに合った極上音楽となっております。
3,
Legend
(グラディウスⅢ)より
美しいグラディウスⅢのメロディを活かした、ヒーリングミュージック風のアレンジとなっております。
使用されている箇所はセレクト画面やオープニングで、戦いに向かう前の曲のメドレーになっており、本来は緊張感みたいなものを感じるのですが、今アレンジでは戦いを終えたエンディングにとても合いそうな雰囲気に生まれ変わっております。
ファンタジックなデジタルオーケストラとバンドサウンドの中間みたで、長めの曲となっておりとても良いです。
4,
Beginning
(悪魔城ドラキュラ・ファミコンベスト)より
悪魔城ドラキュラの世界観がたっぷりと感じられ、なおかつ演奏感もプラスされていて原曲に忠実なシンセサウンドとギターサウンドが融合した感じです。
残念なのがテンポが少しゆっくりになっており、ホラー感は増していますが曲の迫力が減退してしまっていると感じました。
5,
Vampire Killer 〜Live〜 ーNEW MIXー
(千両箱)より
GM HITS FACTORY Ⅰに収録されている曲のライブ演奏ヴァージョンということですが、良い意味で別物に生まれ変わっております。
Ⅰのサウンドはどちらかと言うと打ち込み感が凄かったのに対し、実際に演奏しているというのもありますが、人がプレイしているのがとても伝わってきて、わたくしの求めるバンド演奏感がしっかりと感じられます。
そしてやはりメドレーの選曲も最高です。
6,
Thunder Landing
(スーパー魂斗羅&A-JAX)より
スーパー魂斗羅の原曲に忠実なアレンジで、もともとが印象に残るメロディなのもあってとてもノリの良いサウンドとなっております。
テクノドラム的な音とキーボードで奏でるエレキギターのサウンドが、エッジの効いているデジタルロックな感じで良いです。
7,
DeathbedーHotter than hell
(スーパー魂斗羅&A-JAX)より
メロディアスではありませんが、魂斗羅の世界観である激しいコマンドーバトルにとても似合うサウンドとなっております。
目まぐるしく変化する予測不能な戦況を、奇想天外なメロディでしっかりと表現しております。
8,
Dive BomberーDeadline
(スーパー魂斗羅&A-JAX)より
グラディウスシリーズのようにファンタジーの要素があるものと違い、どちらかと言うとリアルな戦争をテーマにしたようなA-JAXの世界観を、軽快でリズミカルなロックサウンドアレンジにしております。
エレキギターの不規則にうねる演奏が、自由に世界観を音で表現しているようです。
9,
Congratulation
(スーパー魂斗羅&A-JAX)より
90年代シティーポップサウンドのような雰囲気漂うアレンジとなっております。
キーボードの美しい響きが印象的なポップなライトサウンドです。
10,
Skywalker ーNEW MIXー
(サンダークロス)より
90年代前半のCASIOPEAサウンドをイメージさせるような、とても爽やかでテンポの良いフュージョンアレンジとなっております。
ギターとキーボードがライブで演奏している映像が頭の中に綺麗にイメージできるようで、ユニゾンやハモリもたくさんあり、ギターソロの展開など躍動感がとても感じられます。
11,
Final Command A-JAX ーNEW MIXー
(スーパー魂斗羅&A-JAX)より
A-JAXの曲ですが、とてもヒーロー感のあるメロディとアレンジとなっております。
サンダークロス/矩形波倶楽部からと解説でなっている通り、矩形波倶楽部らしい感じがしっかり出ています。
ギターのポップでメロディアスな演奏が特徴的な爽やかフュージョンです。
12,
Cross Fire 沙羅曼蛇 ーNEW MIXー
(サンダークロス)より
わたくしの大好きな沙羅曼蛇の曲がメドレーでアレンジされております。
メドレーだけあって時間も長く、余計な音を入れないでシンプルにギターとキーボードをメインとした、バンド演奏感がしっかり感じられるフュージョンアレンジになっているところがとても良いです。
13,
Farewell グラディウスⅡ
(サンダークロス)より
ラストにこれを持ってくるところがさすがです。
この曲は好きな人も多いと思いますが、音楽を聴く経験の乏しいガキのわたくしでも、どのハードだったかまでは覚えていませんが、初めて耳にした時は「なんて美しくせつないメロディなんだ!」と感動をしました。
原曲は共通して淋しくせつない雰囲気のほうが強いですが、こちらのアレンジでは癒やしや希望をイメージできる方が強くなっていると感じます。
やさしい控えめなドラムに、お馴染みのメロディをピアノで美しく奏で、クリアなエレキギターの演奏でグッと盛り上げてくれてます。
ゲームミュージックにしてしまうのはもったいないような、大人な雰囲気の極上フュージョンアレンジだと思います。
最後に
こちらを聴いていた当時は、コナミサウンドの中で悪魔城ドラキュラシリーズとグラディウスシリーズが大好きでした。
ただ、ちょうどこの頃はTHE SQUAREのようなサウンドを他に求めていたので、矩形波倶楽部が奏でるグラディウスシリーズアレンジの方にどっぷり浸かっていました。
もちろんガキでお金は無いので同じアルバムを繰り返し聴いていただけですが…。
矩形波倶楽部のCDも、ガキだった当時はお金の問題で結果的に『pro-fusion〜沙羅曼蛇〜』しか購入出来なかったので、コナミマスターとは言えませんが…。
そういったお金の無い子供時代にありがたかった、KONAMI GM HITS FACTORYのような思い出深いベストアルバムは、歳をとった今でも当時の興奮を思い出させてくれる素晴らしい作品です。
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