小気味よいリズムと飽きのこない展開で、旧作感を感じさせない復刻版爽やかフュージョン。1作品
作品名:
Sunday Brunch
(2023年タワーレコード限定復刻版)
(オリジナル 1994年)
ミュージシャン:
堀井勝美プロジェクト
ご本人様には申し訳ないですが、完全に記憶の片隅に追いやられてしまっていた『堀井勝美プロジェクト』作品。
タワーレコードサイトをサーフィン中にオススメで表示され、名前を見た瞬間一気に思い出しました。
こちらの『Sunday Brunch』は、当時「ガンガン聴いてたじゃん!」と、頭の中で自分自身にツッコミ入れたと同時に、忘れていたことがかなりショックでした。
好きな事でも人間の記憶なんてこんなもんなんですね。
今回タワーレコード限定の復刻ということで、しっかりBlu-spec CD2としてリマスターされており、音は素晴らしく綺麗で、この作品の爽やかフュージョンサウンドを1音1音気持ちよく楽しめます。
演奏ミュージシャン
(CDブックレットより)
楽器 | ミュージシャン | 参加曲 |
---|---|---|
ドラム | MASAHARU ISHIKAWA | 1,2,3,4,5,7,8,9,10,11 |
ベース | YOSHIHIRO NARUSE | 1,2,7,9,10,11 |
ベース | TOMOHITO AOKI | 3,4,5,6,8 |
アコースティックギター | HIROKI MIYANO | 1 |
アコースティックギター | KOICHIRO TASHIRO | 4 |
アコースティックギター | JUN KAJIWARA | 5,8 |
アコースティックギター | CHUEI YOSHIKAWA | 6 |
エレクトリックギター | JUN KAJIWARA | 1,2,3,4,5,7,8,9,10,11 |
キーボード | SOICHI NORIKI | 1,2,3,4,8,11 |
キーボード | MINORU MUKAIYA | 5,6 |
キーボード | MASAHIRI SAYAMA | 7,10 |
キーボード | HIROYUKI NAMBA | 4,7,9,10 |
キーボード | YASUSHI OOYAMA | 9 |
パーカッション | CARLOS KANNO | 1,2,5,9,11 |
サックス | HIDEFUMI TOKI | 3,4,5,7,8,10 |
ブルースハープ | NOBUO YAGI | 9 |
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
(聴きやすさ)
全曲が比較的癖の少ないメロディで、グッと来る感動は弱いですが、最初から最後までサラッと聴ける良作だと思います。
(抒情的美メロ)
涙腺刺激に関しては、お世辞にも感じられるとは言えません。
明るくポジティブなメロディメインの作品です。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
メロディックバランスの良い作品で、楽器ごとのテクニカルなアピール部分は少ないです。
ただ聞こえてくるサウンドは密度の濃い厚みのある曲ばかりです。
(壮大・神秘・幻想的)
ソウル・ジャズ風や爽やかフュージョンサウンドとしての印象が強いので、ファンタジーは無いに等しいですが、バラード調の曲で、ディズニーの世界観を連想できるような雰囲気のある部分もあるので、星1
(勇壮や鼓舞メロディ)
例えばT-SQUAREなどは、勇敢さを感じさせてくれるメロディが入っている作品が多いですが、こちらの作品では現実世界での普段の生活に活力を与えてくれるようなサウンドが魅力となっております。
(民族音楽的要素)
ラテンを感じられる部分などはありますが、基本的にはディープな民族音楽的要素は感じられません。
フュージョンなので超高速なサウンドはありませんが、ほぼしっかりとドラムセットのリズム打楽器が入り、ミディアムテンポ以上の曲で構成されています。
歌ものポップスの、Aメロ・Bメロ・サビのようにわかりやすい展開となっており、時間も5分くらいの聴きやすい長さの曲が多いです。
Recommended Works
🎼:堀井勝美プロジェクト
各曲感想
1,
WATER GARDEN
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
ラテン色のあるイントロが癖になる、ブルースジャズの雰囲気漂う曲です。
アコースティックギターのアダルトな雰囲気感じる哀愁あるサウンドと、切り返しのように途中途中で出てくるイントロメロディが味があってよいです。
テクニカルなアコースティックギターの演奏も聴きどころです。
2,
WAY TO MORNING
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
心地よいテンポと、爽やかでクリアに響くエレキギターのサウンドが気持ち良い曲です。
メロディックフュージョンでありがちな展開ではありますが、途中にピアノ音のソロが入り軽快さとともにサマーサウンドだと思います。
3,
UNCLE K
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
パーカッションとノリやすいリズムが心地よく、そこに乗っかる甘いサックス演奏が素敵な曲です。
ベースラインも個人的には好きで、圧倒的にメインのサックスが目立つのに、気がつくと自然にベースを追っかけてしまいます。
途中のシャカタクを思わせるキーボードソロも素敵です。
4,
MOVIN’ON
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
爽やかフュージョンとスパニッシュサウンドが合わさったような雰囲気で、激しくはないのですが、静かなる情熱のようなテンションの上がる曲です。
こちらの曲も疾走感のあるベースラインが格好良く、リズムもしっかり刻みながらメロディでもユニゾンしてくるところも最高です。
静寂キーボードソロから、盛り上がりキーボードソロに繋がる部分も好きです。
5,
SUNDAY BRUNCH
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
夏に海沿いの街でゆっくり休日を過ごしているようなリゾート感のある曲です。
ポップなギターフュージョンといった感じで、ヴォーカルものにしても合いそうなシンプルなメロディが良いです。
しっかりとしたリズムを刻みながら穏やかに響くポジティブサウンドです。
6,
THIS MASQUERADE
[作詞・作曲]
LEON RUSSELL
[アレンジ]
堀井勝美
ヒットしたヴォーカルものも素敵ですが、主旋律をベースで奏でているこちらも哀愁感が増し、とてもオシャレです。
しっとりとしたピアノジャズの魅力をたっぷりと感じられ、昔のルパン三世でバッドエンドエンディングの時などに流れるような世界観がとても沁みます。
7,
PARTLY RAIN
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
力強さと優しさが共存しているようなサックスの熱い演奏が格好良い曲です。
ステージ上ではサックス奏者にスポットライトがあたり、ブルージーな世界観で観客を魅了している様子など浮かびます。
こういった曲は目の前で見ると鳥肌立つんだよなぁ。
8,
GOOD NEWS
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
本田雅人さん在籍時のT-SQUAREの曲でありそうな、ソプラノサックスの音が心地よい明るい曲です。
アルバム内では疾走感のある曲で、終始サックスがリードする展開で、演奏自体も疾走感のあるテクニカルな流れが格好良いです。
9,
NICE JACKIES
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
ブルースハープがメインを務める、文字通りブルージーな曲です。
ブルースハープの奏でる音の影響もあり、個人的にはとてもコミカルなサウンドに聞こえます。
楽器が歌うという言葉がとても似合う演奏が聴け、同時に他楽器が邪魔をしない曲になっているので、ベースラインも映えます。
10,
I ME MINE
[作詞・作曲]
GEORGE HARRISON
[アレンジ]
堀井勝美
ビートルズの原曲に忠実なアレンジで、メインがソプラノサックスなので哀愁感があります。
少しスリル感のあるイントロメロディが印象的で、全体的に少しシリアスな雰囲気が感じられ、ソプラノサックスの音色が優しい分、リズム楽器のベース・ドラムが激しめに展開していくところが気持ちいいです。
11,
I WISH YOU WERE HERE
〜ALONE AT LAST
[作曲・アレンジ]
堀井勝美
涙腺を刺激するほどではありませんが、エンディング感のとても感じられるメロディの曲です。
ベースラインが胸を打ち、キーボードで奏でられる優しいメロディで癒やされます。
それと、雰囲気もそうですが、とても近いメロディもある影響で、アラジンの『ア・ホール・ニュー・ワールド』が頭に浮かんできてしまいます。
最後に
堀井勝美プロジェクト、ファンタスティックやヒロイックはありませんが、メロディックフュージョンが好きな方にはオススメだと思います。
演奏面では曲のバランスを大事にしている印象なので、メロディ重視の方でもテクニカルに演奏乱舞するのが好みの方には少し物足りないかもしれません。
過去作ではありますが、しっかりリマスターされているので、個人的にはオススメです。
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