安定のテクニカルさでありながらとても聴きやすいジャズ。1作品
作品名:
OUT THERE
(2025年作品)
ミュージシャン:
上原ひろみ
ジャズの良さとを考えた時、それぞれの曲によって度合いは違えど不規則性にあると感じます。
極端に言うと、リズムとテンポの中にテーマだけ決め、各パートが即興で自由にメロディを乗せていっているような受け取り方を個人的にはします。
そうなるとわたくしの中でジャズというのは自然に、楽器演奏の祭典的なジャンルということになります。
その分ストーリー性と情に訴える部分には弱いですが、とにかく楽器演奏のグルーヴに酔い、無心でテンションを高めたい時に最適なものが多いと思います。
今作品は?
上原ひろみさんといえば、やはり鍵盤前での無邪気感のある超絶技巧が魅力だと思うので、同じものが存在するなら映像作品で観賞する方が楽しいのでしょうが、CDでもじゅうぶんに鍵盤マジックは伝わってきます。
ピアノソロ作品ではなく上原ひろみさんだけが目立つわけではないので、鍵盤楽器と各パートのバンドスタイルの演奏が楽しめます。
そして比較的聴きやすい曲で構成されていると感じます。
演奏メンバー
| ミュージシャン | 楽器 |
|---|---|
| Hiromi | piano keyboards |
| Hadrien Feraud | bass |
| Gene Coye | drums |
| Adam O’Farrill | trumpet pedals |
| Michelle Willis | vocal *M-3 |
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🎼:上原ひろみ
感動的メロディーが好みなわたくしが聴いた場合の全体感想
(評価ではなく度合いです)
(聴きやすさ)
少し聴きづらい拍子の曲もあり、メロディに重点をおいて聴くという意味では少し弱いです。
(感傷に浸れる)
ノスタルジックな曲もありますが、全体的には楽しく楽器演奏に耳を傾ける聴き方になると思います。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
聴きやすくわかりやすい技巧プレイは少ないですが、このアルバムの全体が奏者の自由な表現をメロディに乗せている感じで、型にハマらない音遊び的な演奏乱舞が魅力だと思います。
(壮大・神秘・幻想的)
1曲ノスタルジックな曲がありますが、幻想空間を想起させるような世界観は弱いです。
(勇壮や鼓舞メロディ)
演奏としての格好良さを感じる作品なので、勇敢さであったり胸が熱くなるようなサウンドではありません。
ただ、比較的メロディックなジャズが聴けるので、部分部分でヒロイックな印象を受ける所が若干あります。
(民族音楽的要素)
2曲目の『Yes! Ramen!!』が民族のお祭りのような雰囲気が感じられるメロディです。
スロー、ミディアム、アップテンポで言うとミディアムな曲が多いです。
演奏の疾走感もじっくり聴かせる感じが多いので、テンポ、演奏共ミディアムだと思います。
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各曲感想
01,
XYZ
ポンポンと展開していくジャムセッション的な技巧プレイが押し寄せる曲です。
少し恐ろしめのピアノリフに乗せ、トランペットが歌っているようなプレイとドラムのテクニカルな演奏が楽しめます。
ピアノは脇役的な演奏ですが、常に鳴っているので存在感はあります。
02,
Yes! Ramen!!
スパイ映画でありそうな危険な香りのするメロディとスカ・パンクを足して、そこにオリエンタルな味付けをしたような楽しい曲です。
中盤のスリリングな雰囲気のピアノ伴奏から爽やかな雰囲気に移っていく展開と、静かに闘志を燃やすドラミングが好きです。
03,
PENDULUM
(FEATURING MICHELLE WILLIS)
※ヴォーカル曲
04,
OUT THERE:
TAKIN’ OFF
OUT THERE4部作の1曲目になります。
水中を連想させるようなキーボード音とトランペットの優しく抑えた演奏が素敵です。
上原ひろみさんといえば!な、囁くような抑えた予測不能系鍵盤ワークが聴け、不思議世界に迷い込んだようなメロディのがトランス感のある曲です。
05,
OUT THERE:
STROLLIN’
のんびりとした雰囲気の曲で、聴きやすいポップな展開と変拍子なテクニカル部分が絶妙に混ざり合い、陽気なトランペット演奏がとても心地良いです。
ジャズピアノで欲する弾むようなテクニカル演奏で、一気に爽やかになる部分もあり、コミカルなメロディですが聴き応えがあります。
06,
OUT THERE:
ORION
とてもノスタルジックな雰囲気の曲ですが、完全泣きにもっていかないところがジャズらしい。
トランペットの伸びやかな演奏や、バックでドラムだけ妙に疾走感があったり、ベースの細かな音表現など、雰囲気の割に演奏乱舞している格好良い展開です。
最後に上原ひろみさんの演奏姿が目に浮かぶようなピアノ演奏でソロ部分は幕を閉じ、冒頭メロディで盛り上がり終わります。
07,
OUT THERE:
THE QUEST
このアルバムで1番賑やかで聴きやすいフュージョンチックで、4部作を楽しく閉幕させてくれます。
アップテンポなので自然と各パートも速弾きが多く、トランペットがさすがの超絶技巧といった感じで、小刻みな音の鳴らしなどがやはり素晴らしいです。
ベースの多彩なメロディ展開も格好良いですし、トランペットとピアノの掛け合いなど、テンションの上がる部分がとても多いです。
08,
PENDULUM
3曲目のヴォーカル曲のインストヴァージョンをちゃんと入れてくれてるのが嬉しいです。
淋しい雰囲気の曲ですが、とても神秘的で唯一のファンタジー感のあるサウンドです。
ピアノメインでジャズらしいメロディに加え、上原ひろみの演奏という意味ではレアなクラシカルな部分とポップな部分も少し感じます。
09,
BALLOON POP
ドラムは終始存在感があり、ピアノ、トランペット、ベースのジャズ色満載なテクニカルソロを、ポップな表題でサンドイッチしたような感じの曲です。
長めの曲なので、たっぷりと各パートの見せ場が組み込まれており、可愛いメロディで始まりますが内容はとても濃くカッコイイです。
最後に
HR/HM系やフュージョンやゲームミュージックなどは曲そのもので感動して、自分の世界と照らし合わせたりする聴き方で満足できるのですが、ジャズとなると感動的メロディという部分で弱いのもあり、やはり演奏姿とセットで鑑賞したくなります。
もしくは、目を閉じれば目の前に奏者がいるかのような音響設備できくとか。
ジャズ好きの方はオーディオにこだわる人が多いといわれる理由がわかるような気がします。





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