バンドの演奏感が楽しめるグルーヴィーなアニメサントラ。1作品

作品名:
TVアニメ『血界戦線』
オリジナル サウンドトラック

音楽:
岩崎太整

 ホーンセクションが花形でとにかく疾走感のあるジャズは何だろう?と考えた時に、ジャズを追っかけてきたわけではなく海外アーティストなどにも詳しくないわたくしが、まず頭に浮かんだのが『ルパンジャズ』でした。

そんな中、ルパンジャズと方向性が近く、尚且つもっとファンタジック要素とミステリアスな雰囲気の強い音楽はないかと考えていた時に出会ったのが、岩崎太整さんの作り出した『血界戦線』音楽でした。


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今作品は?

 期待を裏切らないグルーヴィーなクロスオーバーが聴け、ビックバンドジャズのような迫力のある曲もあり、元の映像作品の世界観を表現するエピックな部分もしっかり感じられる素晴らしい音楽が詰まっております。

インストゥルメンタルとしてはDISC1の24曲で、アニメ・ゲームサントラでよくある極短の曲が何十曲も収録されているものよりはサラッと聴けます。

多数の奏者が演奏で参加しているところも魅力の一つです。

演奏で使われている楽器

All Produced Arranged and Composed
by Taisei Iwasaki

※DISC2はヴォーカル曲で構成されているためDISC1奏者のみの表記です。

CDブックレットより

レコチョクは▶️ボタンクリックで少しずつ試聴できます。

メロディック
(聴きやすさ)

ミステリアスでファンキーなメロディックさがとても良いです。

抒情的
(感傷に浸れる)

全体的にはダークな方向性ですが、王道ファンタジーゲームのような壮大で胸を打つメロディのオーケストラサウンドもあります。

演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)

演奏感を感じるという意味では素晴らしいアルバムですが、ミュージシャンが出す通常の作品のように、担当楽器のテクニックを披露するようなソロは、ほんのちょっとしかありません。

ファンタジーな世界観
(壮大・神秘・幻想的)

クロスオーバー、ビックバンドジャズ系のサウンド以外で、とても壮大な曲やせつないメロディなどもあり、ファンタジーも感じられるアルバムです。

ヒロイック
(勇壮や鼓舞メロディ)

どちらかと言うと硬派なサウンドで、演奏を楽しむ意味では素晴らしいのですが、ヒーローや友情など熱い部分は弱いと感じます。

ワールドミュージック色
(民族音楽的要素)

パーカッションを多用した曲も多くお祭り的ノリの雰囲気はありますが、民族チックな部分はほぼ感じられません。

疾走感

アップテンポのカッコイイ曲はありますが、全体的な平均だと疾走感のある作品としては★2です。

🎼:岩崎太整
🎼:血界戦線

各曲感想
(DISC1)

01,
Theme of Blood Blockade Battlefront

 このオーケストラサウンドは名曲だと思います。
1曲目からいきなりエンディング感のある、壮大であたたかいメロディの素敵な始まりから、力強い打楽器の演奏と勇壮な展開へと続きます。

さみしさを感じるところとヒロイックさが見事に融合しております。

02,
Footloose / Run for Cover / Footloose

 ウッドベースの体に響くリズムと、ホーンセクションの見事なハーモニーがとても心地良いです。
構成はメドレーとなっており、ホーン同士の掛け合いやパーカッションのリズムにピアノも華を添える素晴らしい演奏から、最初に戻る展開が凄く聴き応えあります。

03,
Sidewinder

 軽快なリズムにトランペットとサックスの見せ場がメインのカッコイイ曲です。
ラテンフュージョン的な爽やでノリの良い疾走感のある曲です。

04,
Libra

 少し不安を煽るような暗めのメロディで、聴きどころはこれと言って無いのですが、ストリングスはちょっと心地良いです。

05,
Victim

 ストリングスとフルートの透き通る演奏が素敵で、少し異空間的な雰囲気が恐怖心も演出しております。

06,
Snap Out

 ルパンジャズと方向性が似ていてハードボイルド感のある素晴らしくカッコイイ曲です。
疾走感のある打楽器リズムと、ホーンの掛け合いはもちろん、サックスとトランペットのソロバトルのような部分があるのが素晴らしいです。
曲の終わり方も良いです。

07,
Call You Later

 緊迫感があり大事な場面で使われそうなロックサウンドです。
重厚なギターリフに伸びやかなストリングスが乗り、エレクトリックギターのエッジの効いた演奏などハードな曲となっております。

08,
Presage

 ストリングスとデジタル音で危険な香り漂う雰囲気を演出しております。
メロディを楽しむと言うより、状況演出的なサウンドです。

09,
Oblivión

 バンドネオンが主役のアルゼンチンタンゴ調の曲です。
しっかりしたドラム演奏でグルーヴ感があり、哀愁あるピアノとバンドネオンのハーモニーが素敵です。

10,
Attack The System

 疾走感あるデジロックなサウンドに乗せ、テナーサックスの重厚な演奏が絡み合うオシャレでカッコイイ曲です。

11,
Keep On The Sunny Side

 天気の良い日にのんびりと散歩したくなるような、なんとなく懐かしい渋谷系サウンドといった感じです。
ほんわか癒されるサウンドです。

12,
Look Daggers

 あまりよくない状況が伝わってくるような緊迫感のあるメロディで廃墟感のある曲です。

13,
Toy Blues

 コミカルさとファンキーさの融合した楽しい曲です。
音使いで夢の国に迷い込んだような雰囲気も感じられます。

14,
The Urge

 静かにタイムリミットが迫って来ているような雰囲気と、ちょっとだけ勇壮さが顔を出すミステリアスな曲です。

15,
Hands On

 険しい陸路をひたすら進んでいるような雰囲気が感じられる曲です。
ファイヤーショーなどダンスパフォーマンスのバックで打楽器隊が力強く演奏してそうな情景が浮かび、どっしり刻む太鼓が響くイメージの曲です。

16,
Starbow

 どこか幻想の空間に迷い込んでしまったような音の広がりと、甘くアダルトなサックスの演奏が不思議な感覚にさせてくれる曲です。

17,
There Will Be A Day

 デジタルな一定リズムと、ピアノ、サックス規則的に交差する曲です。
メロディはしっかりあるのに、どこかアンビエントミュージックのような不思議な感覚になります。

18,
United

 なにか大きな事に挑む前の、不安や悲しみを噛みしめるようなシーンが連想してしまいそうな曲です。
短い曲なのに力強さと優しさの緩急にグッときます。

19,
Fate

 この先に強大な力が待ち受けているような恐怖を煽る暗い曲です。

20,
Traffic Man

 愉快で明るいパンクロックといった感じで、ノリノリのギターリフとポジティブメロディで進んでいく中、途中の休憩的な部分なんか愛おしく感じられる楽しいです。

21,
Under Pressure

 荒廃した町並みや荒野を進軍しているようで、変化のない一定リズムの状況説明的サウンドです。

22,
A Funeral

 抗えない悲しい結末のような淋しいメロディの曲です。
ヴァイオリンの音色は綺麗です。

23,
Early Train

 のんびりと列車の旅で車窓から景色を眺めながら聴くのが似合いそうで、オシャレなスムース・ジャズといった感じです。

24,
White Gloves(Riprise)

 幻想的なバックの音とあたたかいチェロの演奏がなんとも心地良い曲です。
ラストですが曲展開は特になく、ゆったりと過ぎ去っていくような時を感じます。

(DISC2)

DISC2は全てヴォーカル曲となっております。
インストゥルメンタルオンリーでやっているので省かせていただきます。

最後に

 とても良いインストが入っているアルバムなのですが、やはり聴き応えある曲に偏りがあるのがアニメサントラの弱みですね。

そしてDISC2もインストだったらなぁ〜なんて思ったりしてしまいました。

ただ名曲と感じるものもしっかり入っているので、良い作品だと思います。