ダンサブルにメロディが乱舞する!身体全体で感じる美メロ・インストゥルメンタル1作品!!
グループ名:
POLYPLUS
アルバム名:
debut(2018年作品)
私のジャズ&フュージョンとしての好み、そして固定観念みたいなところからも頭に浮かんでくるのは、やはり老舗バンド等の80・90年代の王道サウンドになってしまいます。
しかし、どんどん近年の新しい扉に足を踏み入れて行くと、高揚感重視と言いますか、いわゆる「グルーヴ感がある」と表現するサウンドがとても多いと思いました。
もちろん、昔でもノリの良いサウンドを奏でるグループは沢山存在しますが、民謡的要素のラテンサウンドやフラメンコ等を取り入れた事によって踊れる音楽を表現していたり、激しさのあるロックなフュージョンでの縦ノリや手拍子で一体になる盛り上がりが浮かんでしまいます。
個人的にインストゥルメンタルジャンル全体の傾向が変わってきたなと感じはじめたのは、2009年辺りからだったと思います。私は音楽家ではないので完全に主観ですが【→Pia-no-jaC←】が出てきた時に、大きな変化だと感じたのをおぼえています。
とてもメロディアスで感動できるサウンドなのですが、ストーリー性と大作感は意外に小さく、そのかわりダンサブルで身体を動かしたくなるノリノリの曲が多い事に新鮮な感動をおぼえました。
そんな近代的なインストゥルメンタルグループだと感じる『POLYPLUS』。
自然いっぱいの野外ステージよりも、ビル街や繁華街のど真ん中にステージを建てて暴れまわっている姿が想像できとても似合っていると想うサウンドの紹介です。
レコチョク・タワーレコードは試聴可能です。
この作品時メンバー
<ゲストプレイヤー>
CDケース表記より
Gotti
(ギター)
from [Neighbors Complain]
2,8,9曲目
Kota Hashimoto
(ギター)
3,4,7曲目
感動メロディが好みの私が聴いた作品全体感想
🎼:POLYPLUS
・ポップ感
(聴きやすくメロディアスな曲が多い)
⚫⚫⚫⚪⚪
・演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
⚫⚪⚪⚪⚪
・疾走感
(←スローテンポ多・アップテンポ多→)
⚫⚫⚪⚪⚪
・ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
⚪⚪⚪⚪⚪
・涙腺刺激
(抒情的美メロ)
⚫⚪⚪⚪⚪
各曲感想
1.
we gotta luv
作曲:POLYPLUS
バスドラムとベースのイントロが気持ち良いアップテンポの曲です。
サックスメインでメロディの繰り返しやファンキーな演奏スタイルが身体を揺らしてくれます。エフェクターを使用しているのでしょうか、ホワンホワンしたサックスの音色もカワイイです。
爽やかフュージョン系のピアノ音キーボードソロがとても綺麗で良かったです。
2.
ratz
作曲:Yuki Nagata
ジャズ・ファンク感漂う曲です。メロディアスではありませんが、楽器ごとの身体を揺さぶる演奏が終始楽しめます。
ベース音がとても表に出る音作りになっているので気持ち良いです。
3.
m’n’dass
作曲:POLYPLUS
とても疾走感のあるベースと激しく乱舞するサックスが特徴的な曲です。
ドラムンベース的なノリもありダンスチューンと呼べるサウンドです。
バックのピアノ音キーボードが激しさの中に美しさを表現していて、途中に現れるサックスとキーボードの美メロもまた素敵です。
4.
ppps
作曲:POLYPLUS
『Party Till We Die』というEDMトランスミュージックに雰囲気が似ている曲です。(あくまでも雰囲気だけです)
こちらもベースのリズムとメロディがとても気持ち良く、どこかの民族音楽でありそうな全体のメロディが不思議な空間に誘ってくれます。
サイバーな感じもちょこっと有り、サックスのループメロディが癖になります。
5.
wake me up
『Avicii』のカヴァー
この原曲は歌ものをほとんど聴かない私でも知っていました。
アレンジがとても素晴らしく、ピアノ音キーボードの流れるような美メロが終始楽しめます。
サックスの音色がとてもマッチしており、
『Moving Hearts』というケルトロックバンドが奏でるサウンドに近い民謡調とも取れる原曲に比べ、しっかりとしたバンドサウンドに仕上がっているPOLYPLUSヴァージョンは都会的ダンスナンバーに生まれ変わっていると感じました。
6.
tokyo class
作曲:POLYPLUS
どっしりとしたジャズ演奏にフュージョン的なメロディーが上手く混ざりあった印象の曲です。
ジャジーなバックと、メインで弾きまくるピアノが気持ち良く、力強いサックスと素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
7.
sugar
作曲:Yuki Nagata
セクシーなムードジャズといった感じの曲です。
ノイズ演出などはありませんが、なんとなくアナログレコードで聴いているような雰囲気も感じれます。
陽が沈む間際の都会ドライブに似合いそうです。
8.
late at night
作曲:Yoshihiro Tsujimoto
爽やかでメロディアスなピアノがオールドジャズ風でムーディーな雰囲気に、フュージョン系のサックス演奏がたっぷり味わえる曲です。
後半のソロ的サックス演奏がテンションを上げてくれて、ライヴ演奏を目の前で感じたい一曲です。
9.
limiter
作曲:POLYPLUS
気持ち良い疾走感がたまらない曲です。
ドラムパターンが聴いてる側の身体を自然と揺らしてくれ、熱いサックス弾きまくりから、キーボード弾きまくりに続いて行くところも好きです。最後少し切なく哀愁ある感じの雰囲気になって行き終わるところが、最終曲らしくて好きです。
ライヴで最後なかなか曲を終わらせず、ずっとリピートして行き、名残惜しくて終わらせたくない感を演出する映像を、勝手に想像してしまいました。盛り上がるだろうなぁ〜
最後に
インストゥルメンタルのライヴを見に行った時はそのグループの曲を生で聴ける喜びと、演奏を生で見れる喜びが私自身の考えも含めあると感じますが、前半でも述べた近年のサウンドは、それプラス自分自身もライヴそのものと一体になり、演奏側も観客をのせてはじめて1つの作品が完成するような音作りがされていると凄く感じました。
それと同時に残念な部分は、超絶技巧な部分が少し減少してしまっている印象も受けます。
もちろん流行りなどもあるので、技術的には出来るけど演奏技術披露より、グルーヴ感を重視した作品作りをあえてしているのだとも思います。
ヘヴィメタル界でも、昔はギターソロが何分も続く超絶技巧な作品が特徴としてあったのに、時代が進むにつれ近年はギターソロが長いと好きじゃないなんて言われてしまうような話も聴いたことがあります。
それぞれの音楽ジャンルの売りである部分も、時代とともに好まれない部分に変化してしまうところは、少し淋しい気持ちになります。
ですが、自分の好みの音楽を作り出してくれるグループを見つけた時の感動は倍増していくと思うので、『POLYPLUS』を見つけた時の感動などを、これからも沢山味わえるように音楽ライフを楽しみたいと思います。
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