爽やかなループ美メロと、身体に沁み込む厚いビートで、違う時の流れへと誘われるような、現実逃避型インストゥルメンタル!1作品
わたくしの音楽を気に入る基準として、80%がメロディアスであるかどうかになっているのですが、残りの20%の中で、『テクニカル演奏に酔いたい』『次から次と迫る音のシャワーを浴びたい』『とにかくスカッ!としたい』『夢の中のような世界へとトリップしたい』などがあります。
わたくしの中で20%に属する、ストーリー性は薄いけど即興系グルーヴを感じられるという意味でJAZZがあります。
映画のワンシーンやライヴ、ジャズバーなどの演奏風景を見てもゾクゾクします。
そこで欲が出てくるのですが、スペシャルなメロディックさと、厚いビートで身体が揺さぶられるジャズ演奏の音が、素敵に融合したサウンドを求めてしまいます。
そんな個人的な欲をかなり満たしてくれているのが、今回ご紹介している『Schroeder-Headz』さんです。
この作品時演奏メンバー
Produced and Piano,Programming
CDブックレットより
Schroeder-Headz(Shunsuke Watanabe)
Yu Suto(U&DESIGN)
ベース
Hiroyuki Suzuki(U&DESIGN)
ドラム
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
🎼:Schroeder-Headz
(聴きやすさ)
💚💚💚💚🤍
どの曲もメロディックで、トリオ演奏なのでごちゃごちゃした複雑な感じもなくとても聴きやすいです。
(抒情的美メロ)
💚🤍🤍🤍🤍
綺麗なメロディの曲が揃っていますが、せつなさや悲壮感のように胸に刺さるような曲はないです。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
💚💚🤍🤍🤍
ベースパートは比較的乱舞していますが、拳を突き上げたくなるような超絶技巧は全体的にないです。
(民族音楽的要素)
🤍🤍🤍🤍🤍
民族音楽的伝統を感じれる曲は無しです。
(壮大・神秘・幻想的)
💚🤍🤍🤍🤍
現実的な私生活の中で感情に訴えかけるサウンドなので、ファンタジー要素は無しです。
個人的に神秘的な印象を受ける部分が多少あったので、1にしました。
スローなのは2曲ぐらいで、流れていく景色が似合いそうな軽快な曲揃いです。
スローな曲でもリズムパートがしっかりしているので、心地よいグルーヴ感があります。
心地よいメロディのループが素敵な印象で、美メロがサラッと駆け抜けていくような、展開がとてもシンプルな作品だと感じます。
※タワーレコードは商品の取り扱いありませんが、試聴ができます。
各曲感想
1,
no sign
少し不思議な雰囲気のベースラインから始まり、一気に爽やかなピアノ演奏へと続きます。
テンポ良い疾走感で存在感のあるウッドベースをバックに、ピアノのテクニカルなJAZZ演奏が乗り、心地よいグルーヴで体が揺れます。
2,
absence of absolutes
明るさと淋しさが紙一重のような、独特のピアノのメロディループが癖になる曲です。
ドラムの激し目な演奏が好きで、メロディアスなピアノ演奏に対してドラムが即興セッションを仕掛けているような躍動感が素晴らしいです。
3,
newdays
アルバムタイトル曲となっている個人的超名曲です。
完全に主観ですが、日常で出会う小さな感謝や、昔を懐かしむ回想場面などでバックに流れていたら涙してしまいそうです。
恋愛ドラマなどにとても似合いそうです。
バスドラムメインでリズムを刻み、音数の多い流れるようなメロディの流れが心地よいです。
4,
another hero
ずっしりとしたベース音とシンプルなドラムに、ゆったりなごむピアノメロディが重なる、落ち着きのある曲です。
強弱のあまりない曲なので、ヒーリングミュージックとしてリラックスできそうです。
5,
exodus
少し冷たさのあるメロディなのですが、バックのリズミカルなドラミングがとてもギャップがあり、雰囲気はしっとりしていますが意外にもノリノリな印象を受ける曲です。
ピアノとベースのユニゾンのように音が重なり進行していく部分がとても心地よいです。
6,
polka dots fish
1日が終わっていく晴れた日の夕焼け風景にとても似合いそうな、演奏全てが優しくメロディもなごむ曲です。
変化の少ないベースラインが落ち着いた気持ちにさせてくれて、逆に自然と音を追ってしまいます。
7,
boobies-hi
テンポとベースパートがとても癖になるダンサブルな楽しい曲です。
デジタルサウンドで激しく表現するEDMとはまた違った、あたたかみのあるビートとメロディでライブはかなり盛り上がりそうです。
ピアノの奏でるメロディも、弾むようなループ部分とJazzyなアドリブ感のある演奏部分とがうまい具合に出てきて、聴き応えもしっかりあり非常に楽しい曲です。
8,
T.V.G.
こちらはイントロ部分など少しのポップさと、Bebopと呼ばれるようなJAZZ部分とが綺麗に融合されていて、かと思えば途中ラテンの雰囲気がいつの間にか漂っていたりと、陽気で楽しい曲です。
わたくしもそうですが、難しいJAZZは苦手だという方でも、ぶっ飛んだ演奏バトルみたいな部分がないのと、個人的に一番重要である、メロディックな部分がしっかり前に出てきているので、ポップなJAZZとして楽しく聴けると思います。
最後に
こんなことを言うとJAZZファンの方に怒られてしまうかもしれませんが、個人的にはホーンセクションのないJAZZが好きで、Schroeder-Headzの純正のJAZZではなくフュージョンともまた違った、コンテンポラリーなサウンドがとても気に入りました。
トリオなので複雑な音の交差が少なく、ドラムとベースに自然と耳がいってしまうような、リズムで気持ちよくなれるグループだと感じました。
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