弦を伝わり広がる熱き音世界!ピックと弓のバトルが織りなす青月に照らされし幻想サウンド。1作品
黄昏時の澄んだ光に照らされ、仄暗くありながらロマンティックな演舞を魅せてくれるsoLiでありますが、今作はテクニカルに聴かせるパートが更にパワーアップし、自分なりの情景イメージがし易いようなメロディが揃っているように感じます。
技巧演奏と激しく密度の濃い音が詰まった曲が好きだけど、プログレッシブなになにのように変拍子を多用した曲展開が複雑すぎるのは苦手だな。という絶妙なバランスのHR/HMインストを探している方にとてもオススメできるサウンドだと思います。
TONERICOのツインヴァイオリンのように、同楽器の演奏バトルも素晴らしいですが、すっかり定着してきたエレキギターとヴァイオリンの掛け合い・ユニゾン・ハモリも、とてもゾクゾクする音世界が広がります。
soLiさんの新作リリースするペースの早さにとても感激しております。
ゲストミュージシャン
IKUO
CDブックレットより
(ベース)
track 1
Isamu Takita
(ベース)
track 2
Jiro Okada
(ベース)
track 4
Yusuke Morita
(ベース)
track 3.5.6.7.9
原澤秀樹
(ドラム)
track 1~9
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
(聴きやすさ)
🩷🩷🩷🤍🤍
ポップな世界観ではないので好みが分かれると思いますが、全てメロディアスな曲で構成されているので聴きやすいです。
(抒情的美メロ)
🩷🩷🩷🩷🤍
熱く魂を揺さぶられるような、感動的刺激ではないのですが、個人的に好きな、悲しみを乗り越え前向きに進んでいく様を表現しているようなメロディ表現が多いと感じ、高評価です。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🩷🩷🩷🤍🤍
曲中に際立ったソロパートを設けている印象ではありませんが、隅から隅まで平均的にユニゾン、ハモリが駆け抜けるイメージで、聴く側に1曲1曲とても充実感ももたらしてくれます。
(壮大・神秘・幻想的)
🩷🩷🩷🤍🤍
オーケストラなどの派手な演出が一切無く、シンプルに参加楽器のみで表現しているバンドサウンドなので、壮大さは感じられませんが、神秘・幻想的なメロディはとても多いと感じます。
(勇壮や鼓舞メロディ)
🩷🩷🩷🤍🤍
ヒロイックな部分でも、やはり、「悲しみ乗り越え強く歩みだす」的な映像シーンに合いそうな勇壮鼓舞サウンドと、さみしい世界観が絶妙に合わさった曲が多いと感じます。
(民族音楽的要素)
🤍🤍🤍🤍🤍
ワールドミュージックにジャンル分けされるようなサウンドは一切ありません。
プレイの疾走感はどの曲もありますが、アップテンポという意味での疾走感ある曲は2曲です。
長い曲があるわけではないですが、それぞれの曲がとてもドラマチックな展開になっていると感じます。
レコチョク、タワーレコードは試聴できます。
🎼:soLi
各曲感想
1,
Jumbo Jamboree
今作品で一番ポップなサウンドで、EDMのノリの良いグルーヴをバックに格好良く駆け抜けます。
ロック色の強いフュージョンといった感じで、聴きやすいメロディでダンスミュージックのように同じメロディをループさせる展開と、ハモリとユニゾン全開で爽やかさと少しせつないメロディが共存していて、高揚感の感じれる曲です。
2,
Sky
暗雲が垂れ込める情景がとても似合いそうな、ゲームのボス戦を思わせるスピードメタルサウンドです。
ハモリ、ユニゾンはもちろんですが、疾走感のあるリズムの中両楽器の掛け合いが特に素晴らしく、めくるめく展開がとても素晴らしいです。
ハードでテンションは上がるのですが、メロディの雰囲気はとてもダークで、個人的には希望に満ちたヒロイックな盛り上がりがあってほしかったです。
3,
Night Lurkers
ジミー・ヘンドリックスのような激しめなブルース・ロックに、モノクロな世界観を足してお上品にしたようなイメージのサウンドです。
曲調の関係もあると思いますが、ギターとヴァイオリンがヴォーカルみたいな掛け合いになっているところが特徴的で、明るいメロディではないのですが、不思議と楽しい雰囲気になる曲な印象です。
4,
Tender Rain
せつなく淋しい雰囲気の中に、和の風情が感じられるの曲です。
曲の感じからするとヴァイオリンがマッチするイメージですが、どちらかというと泣きの演奏で世界観の想像を引き立ててくれるギターの方が主役といった感じです。
ドラマ・映画やアニメなど映像作品で流れてきたら、とても沁みる美しいサウンドが素敵です。
5,
Re;Try
ヒロイック・ファンタジー作品のテーマ曲にとても似合いそうなロックサウンドとなっております。
サビにあたるであろう部分がしっかりとあり、ヴォーカル物にしても合いそうな構成で聴きやすいです。
曲中に何度も登場する癖になるリフのメロディを、ギター、ヴァイオリンでチェンジする形でお互い弾き変わっていき、ハモリ、ユニゾンでカチッとハマる部分が心地良いです。
6,
Hidden Formula
荒廃した世界を表現しているような少しスリリングなメロディと、ノーザンメランコリックなどと呼ばれるような淋しさに勇壮さを足したようなメロディが共存する美しい曲です。
スリリング担当のヴァイオリンと、勇壮担当のギターといった印象で、こちらの曲もサビにガチッと美メロできめてくれます。
最後アウトロで美しい演奏をみせてくれるところも素敵です。
7,
Karen
少しあやしい雰囲気の漂うワルツと、サビで一気に疾走感のあるスピードメタルに盛り上がる聴き応えのある曲です。
こういった曲調はクラシック楽器であるヴァイオリンの音色がとても映えますし、単純な思考ではありますが、お城の舞踏会なんかの絵も浮かんできます。
実際のオリジナルワルツでは存在しないバックのギターリフが厚みを与え、ドラムがあることによってはっきりと体に伝わるリズムが個人的にお気に入りで、伝統的なクラシック音楽などをドラムセットありで奏でてるのが好きなわたくしの好みにガッチリとハマっています。
伸びやかなヴァイオリン演奏もとても美しく、この曲は主役といった感じです。
8,
Aegis
神秘的で寂寥感溢れる全体の世界観の中、メランコリックなメロディを熱いギター演奏メインで奏でる曲となっております。
演奏自体は熱いのですが、高揚感を感じられるメロディは無く、荒廃した大地を眼の前に打ちのめされた感情などがイメージされそうな印象です。
9,
Rebelion
アルバムラストにふさわしく、徐々に演奏が厚みを増していく展開を楽しめる、勇壮ラスボス戦タイプの曲です。
映像物やゲームといったように、ストーリーがある物のイメージに合ったサウンドを作り上げるのも、もちろん素晴らしいですが、そういった曲作りではないのにこういうサウンドを生み出せるのが、本当に格好良いお二人です。
オーケストラサウンドをバンドサウンドにアレンジしたかのようなメロディと曲展開を、ハモリ、ユニゾン、掛け合い盛り盛りで、個人的にガッツポーズなテクニカルサウンドです。
最後に
曲の感想でも同じような表現で書きましたが、わたくしが音楽を聴くことに目覚め始めた頃というのは、ストーリー有りきのサントラとしてでしか、このようなサウンドには出会えない時代でした。
そうなると一番求めるサウンドを聴くことのできるのが、ゲームミュージックのアレンジ作品になっていたわけです。
ゲームミュージックが好み形成の基本にあるわたくしもうなる、soLiのようなスペシャルなグループが、もっともっと沢山私達の耳に届く事を願っております。
何度も言っておりますが、本当に良い時代になりました。
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