リズム楽器最強の2人(主観)が聴かせる!、厚みのあるサウンドと演奏感抜群のフュージョン2作品!リズムパートへのこだわりを作り上げてくれた好み形成シリーズ
ミュージシャン:
JIMSAKU
作品:
JADE
(1992年作品)
WIND LOVES US
(1993年作品)
JIMSAKUといえば、なんといっても作品に演奏感がとても感じられるところだと思います。
毎作品沢山の楽器が参加しているのと、賑やかでノリの良い曲が多いことで、インストゥルメンタルの良さを存分に味わうことが出来ます。
聞こえてくる各パートの響きがとてもバランスが良く、全楽器が伸び伸びと演奏している様子も毎回感じられる出来になっています。
そして1番は、ユニットメインのお二人の担当楽器が、ベース・桜井哲夫、ドラム・神保彰と、両方ともリズム楽器なので、一曲一曲が安定した気持ち良い音で耳に入ってくることと、ベテラン技巧プレイを沢山聴かせてくれるところだと思います。
2作品ポイント
JADE(1992年作品)
今作もJIMSAKUの得意とするラテンサウンドを軸に、爽やかな曲からエレキギターの弾ける曲や、和のスタイル全開の曲まで幅広く楽しめます。
ラテンでイメージしやすい風景は海ですが、この作品はジャングル・新緑の森などの風景が似合いそうな雰囲気のサウンドが感じられました。
もちろん海岸沿いの開放感を感じれる曲もあります。
作品 JADE 参加ミュージシャン
桜井哲夫
CDブックレットより
(ベース)
(コーラス)
神保 彰
(ドラム)
(エレクトリック・パーカッション)
(コーラス)
森村 献
CDブックレットより
(ピアノ)
(キーボード)
(コーラス)
吉弘千鶴子
(ピアノ)
(キーボード)
(リコーダー)
(フルート)
(コーラス)
是方博邦
(エレクトリックギター)
中居一郎
(エレクトリック&アコースティックヴァイオリン)
(コーラス)
鳥山雄司
(エレクトリック&アコースティックギター)
土方隆行
(エレクトリックギター)
梶原 順
(エレクトリックギター)
佐々木史朗【オルケスタ・デ・ラ・ルス】
(トランペット)
(フリューゲルホルン)
鈴木正則
(トランペット)
佐野 聡
(トロンボーン)
春名正治
(アルト&テナーサックス)
小林正弘
(フリューゲルホルン)
木村 誠
(パーカッション)
(コーラス)
田中倫明
(パーカッション)
美座良彦
(パーカッション)
三島一洋
(パーカッション)
内藤洋子
(琴)
本田雅人【T-SQUARE】
(アルトサックス)
(フルート)
(EWI)
2,5,10曲目
感動メロディが好みの私が聴いた作品全体感想
🎼:JIMSAKU
各曲感想
1.
SONGO DE GO GO
さすが!1曲目からベースの主張するイントロからスタート。
少しおちゃらけたメロディで進み、サビに当たる部分でクリアなエレキギターで一気に爽やかムードに転向。
そしてホーンセクションとともにベース・ドラムのソロでぎ落ち着いた技巧演奏を披露してくれます。ピアノのラテンバックピアノも加わり、賑やかに終わります。
2.
WHAT’S UP?
ファンキーなソウルミュージックな雰囲気の曲で、サックス奏者の出した曲のような、サックスメインの1曲です。
少しダークなメロディも格好良く、ベースのしっかりとした土台のリズムがソウルミュージック系の雰囲気をより引き立ててくれています。
3.
初節句
タイトル通り完璧な和風音楽です。琴の演奏が美しく、ドラムも、ヒーリング・民族音楽を感じ取りやすいように、ドラムセットというより打楽器という大きな括りでの表現がされていて、さすが神保さんという感じです。
ベースと琴のユニゾンも素晴らしく、中盤からピアノの音色とヴァイオリンの音色が合わさって、とてつもなく素晴らしい和風民族音楽になっております。
4.
PARADISE IN THE CLOUD
イントロから爽やか全開で、最初は少しふざけたメロディですが、哀愁あるエレキギターが入り盛り上がりはじめます。
サビからはホーンセクションとラテンピアノが入り一気にリゾート感が増します。トランペットのソロ演奏も鳥肌もので格好良いです。桜井さんの終始続くチョッパーベースも素敵です。
5.
AFTERNOON TEA
チャチャチャのリズムでほんわか雰囲気のゆっくりめな癒やし曲です。
力を押さえ優しく演奏するトロンボーンが気持ち良く、楽器が生きているような演奏をする本田さんのフルート技巧プレイが、随所に散りばめられていて格好良いです。
6.
GIANT FORCE
ラテンを基本としながらロックなギター演奏が楽しめます。
ピアノの演奏が情熱的でスパニッシュ感も格好良いです。スウィングジャズのようなバックのホーンセクションもテンションを上げてくれる、ノリノリサウンドです。
神保さんの四肢が神的に動くドラムテクニックが映像で浮かびます。
7.
MOON STONE
ニューエイジ的なサウンドで、二胡の演奏に似ているような表現のヴァイオリンが癒やされます。ジャングル奥地の川を、小さなボートでくだるような旅番組が浮かびます。
桜井さんのベースでメロディを演奏するところなどが、メロディを美しくしたアフリカ音楽のような印象も持ちます。
8.
CASCADE
派手さを少し押さえたサンバのリズムが心地良く、メインに近いフルートが楽しく乱舞するきれいな曲です。
コーラスが結構出てくるので、完全インスト派な私は少し残念でした。
9.
FIRE WATER
こちらはJIMSAKUお二人だけのスペシャル技巧曲です。
ずっとベースソロ・ドラムソロが続くイメージです。
メロディも意外にしっかりとしていて、ファンキーなラテンみたいな印象です。
この曲はまさにジャングル住人のお祭りと言う感じです。
10.
PASSION FLOWER
ミディアムテンポですが内容は非常に濃く、本田雅人さんのEWI、是方博邦さんのギター、鳥山雄司さんのギターがそれぞれユニゾンしていて、バトルまでは行きませんが、しっかり主張しあっているので厚みのあるサウンドになっています。
ラテンとロックの上手いバランスが良く、そこにアフリカ民族音楽が参戦してくるような感じです。
WIND LOVES US(1993年作品)
私がJIMSAKUの中で、最初に手にしたのがこちらの作品になります。
当時は人物等の知識がほとんどなかったので、確か、「凄いユニットの新作がリリースされる!」程度の情報でCD屋さんに向かったと思います。
キーボードやギターで格好良いメロディを演奏するグループを求めて期待していたので、リアルタイムの感想はガッカリだったと思います。
その中で、8曲目の『AIDA』を聴いた時は鳥肌が立ったのを覚えています。感想は各曲感想で書きますが、それがあって好きなアルバムには最終的になりました。
作品 WIND LOVES US 参加ミュージシャン
桜井哲夫
CDブックレットより
(ベース)
(アコースティックギター)
(パーカッション)
(コーラス)
神保 彰
(ドラム)
(アコースティックギター)
(パーカッション)
(カヴァキーニョ)
(サンポーニャ)
森村 献
CDブックレットより
(キーボード)
(パーカッション)
(コーラス)
吉弘千鶴子
(キーボード)
是方博邦
(エレクトリック&アコースティックギター)
中居一郎
(エレクトリック&アコースティックヴァイオリン)
鳥山雄司
(エレクトリック&アコースティックギター)
佐々木史朗
(トランペット)
鈴木正則
(トランペット)
佐野 聡
(トロンボーン)
中路英明
(トロンボーン)
本田雅人
(アルト&テナー&ソプラノサックス)
(フルート)
山本拓夫
(テナーサックス)
小池 修
(テナーサックス)
斎藤 清
(テナー&バリトンサックス)
木村 誠
(パーカッション)
(ヴォイス)
田中倫明
(パーカッション)
斎藤ノブ
(パーカッション)
仙波清彦
(パーカッション)
(ヴォイス)
KATO GROUP
(ストリングス)
<スペシャルゲスト>
野呂一生
(フレットレスギター)
(シタール)
伊東たけし
(アルトサックス)
感動メロディが好みの私が聴いた作品全体感想
🎼:JIMSAKU
各曲感想
1.
WIND LOVES US
ブロードウェイミュージカルの様な雰囲気のサウンドで始まり、トランペットの爽やかな演奏がとても気持ち良い曲です。
コンガの演奏など入りますが、印象としては正統派メロディックフュージョンといった感じです。タイトル通り風をイメージできるサウンドで、バックのストリングスが更に爽やかさを演出しております。
2.
DOROTEA
繁華街から一歩奥に入った裏路地のビルで、ギャング達が酒を交わしくつろいでいるような情景が想像できる、ダークで少し妖しい曲です。
ベースとギター・ヴァイオリンのユニゾンが綺麗で、ギターの演奏部分がロックなので、ファンク・ソウルミュージックとロックの融合みたいな感じです。
3.
I’M GONNA CATCH YOU
ビッグバンド・スウィングジャズとロックが融合した感じの曲で、ホーンセクションが激しく、管楽器をテンション高く演奏する映像がリアルに浮かんでくるカッコイイ曲です。
伊東たけしさんのソロで、雰囲気が全く違う曲なのにT-SQUARE感があるところが、賛否あると思いますが私は好きです。
4.
ALCAIC SMILE
トルコ民族音楽のような雰囲気の曲で、そのトルコ民族楽器の『カーヌン』をベースで表現しているのではないでしょうか。とても雰囲気が出ています。
メロディは民族音楽臭さとフュージョン臭さが意外にマッチしているところもあり好きです。
5.
SNAKEMAN’S SHUFFLE
ホーンセクションが気持ち良いファンクミュージック寄りの曲です。
ハモンドオルガンの流れるような演奏も素敵で、どっしりリズムを刻む部分と、手数多い演奏の交差が気持ち良いドラム演奏も魅力的です。
6.
FUNKY PUNCH
JIMSAKU2人だけの技巧プレイサウンドです。演奏の強弱が気持ち良く、アップテンポなこともありノリノリの演奏重視ミュージックです。
7.
GONDWANA
ゴリゴリの民族音楽です。最強のリズム楽器ユニットなので、ベース音の特徴である身体の芯から湧き出る魂の振動みたいなものが感じれる曲です。
メロディはお世辞にも良いとは言えないので、こういったサウンドが好きな人以外は、雰囲気を楽しむ感じになると思います。
8.
AIDA
JIMSAKUの初めて買ったCDで、JIMSAKU最強の曲に出会えたことは凄いと今でも思っています。
雰囲気・テンポなども好きなのですが、やはり1番はメロディです。
ラテン等のように、世界的にメジャーな民族音楽ではなく、土臭いと言いますか、部族民謡に近い民族音楽のインストを好きになるきっかけにもなり、衝撃も受けた曲になります。
ドラムパターンも私的には特徴を感じており、変拍子とまではいきませんがあえて整ったリズムを刻まないところが、神保さんらしい感じがしております。
そしてサビなどで聴きやすいリズムにもっていくところがさすがです。
リズム隊がしっかりしていて、抒情的な切な民族音楽を探している方は是非聴いてみて頂きたいです。ヴァイオリンの情熱的で力強い美メロがオススメです。
9.
AFTER THE RAIN
雨上がりがしっかり連想できる優しいバラードです。
ベースでメロディを演奏するところが、ほのぼのする癒やし曲です。ヴァイオリンの音色がこの曲も素敵で、クラッシック音楽で魅せる雰囲気と違い、とても親近感の湧く身近な楽器に聴こえるところも不思議です。
バックの雨水が弾ける様を表現したようなヴァイオリンのピチカート奏法も素敵です。
10.
NIGHT CRAWLER
ファンクジャズチックな曲で、トランペットの抑え気味なダークな演奏と、技巧演奏両方が楽しめる曲です。個人的に昔の海外探偵ドラマ・映画などを連想してしまう雰囲気です。
ずっしり重いベースのメロディも特徴的で、プラス、チョッパーベースとバランスがとても良く、曲の雰囲気と非常にマッチしております。
高層マンションで外を眺めながら、ウイスキー・ブランデーなどを飲んでいる風景も似合いそうです。ただ、メロディはロマンチックではありません。
最後に
JIMSAKUは参加ミュージシャンも含め、ハイレベルな実力者が集まって作品を作り上げるので、演奏を重視して音楽を楽しむ人や、ドライブやテンションを上げるための作業用BGMとして聴くのにはとても素晴らしいグループだと思います。
同時に、技術向上を目指すミュージシャン志望の人にももってこいのグループだと思います。
一方で、メロディ重視や感動を求める人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。『AIDA』のような抒情的全開の曲を沢山作っていほしいと個人的には思ってしまいます。
とは言っても、私が感動系メロディと同じくらい好きな民族音楽系の曲も沢山ありますので、総合的には大好きなユニットです。
世の中には数え切れないほどの音楽が生まれ続けていますが、自分の好みに完全マッチするのは結構少ないと思います。好きな音楽にこだわりが強い人は共感して頂けるのではないでしょうか。
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