激しく重い演奏と心地よいほど多彩な曲展開。そこに透き通るエモーショナルな美メロが絡み付く。晴れやかな気分に誘ってくれるプログレッシブサウンド1作品
グループ名:
ARCH ECHO
作品名:
YOU WON’T BELIEVE WHAT HAPPENS NEXT
2ndアルバム
(2019年作品)
感動系美メロ好きな私も大満足のプログレッシブ・インストゥルメンタル・メタル、またはプログレッシブ・フュージョンと呼べるスーパーグループ。
隙間なく音が詰まった構成と、演奏テクニックを楽しみたい方とメロディを楽しみたい方どちらの満足感も満たしてくれると思います。
プログレッシブ・メタル等は、演奏技術がとんでもなく「どうやって演奏してるの?」と驚きがあるようなバンドは沢山いると思います。
実際自分でもプログレッシブなインストゥルメンタル音楽を探し求めていると、ハードな部分を満たしてくれる音楽はすぐに出会えたりしますが、曲展開・変拍子が複雑過ぎたりすることが多いです。
そして、プログレッシブ特有のキーボード多用で透き通るサウンドであっても、やはりテクニカル重視で聴きやすさや感動が少ないということが多いです。
そんな中今回紹介するARCH ECHOは、プログレッシブなサウンドの中でも聴きやすいと思います。
比較的メロディに重点を置いている印象で、複雑な展開・変拍子でも聴き疲れしないのも良いところです。
タワーレコードは商品ページ下部に試聴有り。
今作品メンバー
Joey Izzo
キーボード
Adam Rafowitz
ギター
Adam Bentley
ギター
Joe Calderone
ベース
Richie Martinez
ドラム
CDブックレットより
感動系インスト好きな私が聴いた全体感想
🎼:ARCH ECHO
各曲感想
1.
Daybreak
比較的フュージョンテイストの強い爽やかな曲です。
重たくなりすぎないギターリフと爽やかさを引き立ててくれるシンセリフがとても気持ち良く、抒情的・切なさは無いのですがとても美メロで、急激な曲展開や激しすぎる変拍子も少ないので聴きやすい方だと思います。
2.
Immediate Results!
カシオペアのテンポが良い曲をメタルにしたような雰囲気です。
テンポ良いプログレ的疾走曲でキーボードとギターのユニゾン・ハモリが多いです。
キーボードの激しく弾きまくる爽快感と、時にはジャズ的ソロでムードが変わったりと内容の濃い1曲です。
3.
Stella
テンポは早くないですが、ギター・キーボードの疾走が激しい曲です。
感動美メロに行きそうで行かないプログレの定番的な曲展開が逆に心地よいです。
ギターとキーボードの演奏バトルをたっぷり味わえます。
4.
Aurora
エモーショナルさと泣きのギターが良いバランスで、バックの淡々としたシンセリフが心地よいです。
比較的美メロで極上なギターフュージョンといった感じで、変拍子も少なく非常に聴きやすいです。
5.
Mukduk
メタル色の強い曲で美メロは少なく、サイケデリックなハジけた曲です。
複雑な展開でダークな雰囲気ですが、変拍子はそこまで激しくないです。
6.
Tempest
ピアノの優しい音色のイントロから入りますが、だんだんと演奏の激しさが増していくフュージョン色の強い曲です。
キーボードの多いDream Theaterといった印象も受けます。
透き通る泣きのギター演奏が気持ちよく、全体的に弾きまくりのキーボードが気持ち良いです。
7.
Bocksuvfun
フュージョンとしてとても好きな曲です。
ダークでエモーショナル雰囲気が強めですが、技巧演奏の洪水が押し寄せた後現れる、ちょこっとのメロディアスパートがアクセントになっていて癖になる展開です。
8.
Iris
ハードで厚みのある極上なフュージョンです。
激しい変拍子はほとんど無く、落ち着いた雰囲気のギターフュージョンになっています。
中盤にキーボードの美メロが入り、そこからギターとキーボードの熱い弾きまくりが激しくなっていき、疾走感のある曲ではないのに、聴きやすいのにじっくり溜めるようなドラムプレイに身体が揺れてしまう素敵な曲です。
9.
Color Wheel
日本版ボーナストラック
日本人の好みに合わせてくれているのか、とてもメロディアスな感動的な美メロ曲になっております。
ボカロ曲でありそうなシンセリフの美しいイントロから、聴きやすいギターの音色が続きギターとキーボードのユニゾン・ハモリが特に多い構成になっております。
疾走感も有り癖のある変拍子がほとんど無いので、技巧テクと美メロをじっくり味わえる良曲です。
最後に
プログレッシブサウンドというのは私にとってとても不思議な感覚で、複雑な構成により聴く人によってはぐちゃぐちゃに感じたり疲れると感じるようなものが多いのに、何故か心地よく感じてしまいます。
あまりにもメロディが暗かったり複雑さだけが売りのものはさすがに敬遠してしまいますが、複雑な中に突然美メロが出現するような曲を作るバンドも多く、美メロを待つ楽しみや曲中の変化のギャップに感動してしまいます。
メロディアスの割合が多いサウンドをプレイするグループに出会うのはなかなか稀なので、このARCH ECHOというグループは個人的にとても貴重でありがたいです。
メロディアス以上、感動系未満という感じではありますが、激しい技巧派プレイもメロディアスも両方ほしいという方にはオススメです。
そしてプログレらしく超絶技巧なキーボード演奏も美しいので、鍵盤楽器好きにもオススメです。
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