曲自体がメロディックなら自然とこうなるよねぇ〜♪1作品

作品名:
Memento Mori
(2016年作品)
バンド名:
Aephanemer
(エファネマー)

 今回は歌モノ作品の中に収録されているメロディック・インストゥルメンタルになります。
ジャンルは、「あら意外!」メロディック・デス・メタルなんです。

フランスのバンドで、女性デスヴォイスとバックの聴きやすいメロディがとても神秘的にマッチして聞こえてきます。

もちろんインストゥルメンタル好きなわたくしが注目したのは、CDには収録されていない配信でしか聴けない(個人調べ)、日本で言うカラオケヴァージョンで、各曲のヴォーカルパートを消したインストヴァージョンになります。

ただ、メロディック・デスやメロディック・ブラックメタル等のデスヴォイス楽曲で、ヴォーカルパートを消したらメロディックなインストになるかと言うと必ずしもそうではなくて、このバンド『Aephanemer』のインストパートが、メロディを奏でないデスヴォーカルの代わりに主旋律として、ヴォーカルラインに沿ってしっかりメロディを奏でてくれているからです。

一応今までリリース(2025年9月現在)されたアルバム全てに該当しますが、アルバム『Memento Mori』のヴォーカル抜きが特にメタル・ギターインストとして素晴らしいと感じます。

 もちろん歌モノバンドなのに、インストゥルメンタル紹介として投稿することを申し訳ないと思っております。


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メロディック
(聴きやすさ)

どこかフィンランド民謡チックなメロディを感じさせる部分と、少しせつない雰囲気のメロディ多めですが、耳でおいやすく聴きやすい曲が多いです。

涙腺刺激
(抒情的美メロ)

メロディックではもちろんあるのですが、メリハリが少し弱いので単調に聴こえてしまいます。

演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)

1曲が比較的短いのと、ヘヴィメタルの割に派手さがなく丁寧な演奏といった感じの印象です。

ファンタジーな世界観
(壮大・神秘・幻想的)

シンフォニックな音が少ないので壮大さに欠けます。
メロディに神秘的な色が感じられる部分があるので、そこは好きです。

ヒロイック
(勇壮や鼓舞メロディ)

物語の中で試練に立ち向かう、戦士のような力強さを感じる格好良いメロディが多いです。
荘厳さと哀愁が合わさった雰囲気が大好きです。

ワールドミュージック色
(民族音楽的要素)

民族楽器は登場しませんが、北欧民謡で耳にするようなメロディが多少あります。

疾走感

しっかりツーバス演奏ありですが、スピードメタルの速いテンポはありません。
各楽器の演奏も疾走感を感じる部分は少ないです。

曲展開

激しさや穏やかさといった強弱が1曲の中で展開されるものがなく、ポップスのようなシンプルで短めの曲で構成されています。

演奏ミュージシャン
(CDブックレットより)

🎼:Aephanemer

各曲感想

1曲目

10曲目
まではヴォーカル曲

11,
Unstoppable
(Instrumental)

 ストリングスのイントロで、寒い地域での世界観が感じられ厳しい旅がはじまるような勇ましいメロディが良いです。
一定のメロディを繰り返す部分が多いですが、後半のギターソロにあたる部分が心地よく、たどり着いた先にある光のような展開が好きです。

12,
Sisyphus’ Bliss
(Instrumental)

 比較的明るめでポップなメロディック・ギターインストになっていると思います。
ギターとストリングス音の掛け合いやユニゾンが魅力で、疾走感の増すバスドラムと共に入るギターソロ部分が興奮します。

13,
Hellebore
(Instrumental)

 ウクライナ民謡やウクライナフォークソングでありそうな哀愁感と、ギターの刻みリフがとても心地よいです。
ゆっくりなイントロから疾走感のあるリズムに展開し、ポルカのような雰囲気が少し感じられます。
その後は失速してしまいちょっと残念ですが、その分しっかりギターが力強いメロディを奏でてくれます。

14,
The Oathsworn
(Instrumental)

 少しさみしげな雰囲気のギター演奏から始まり、ツーバスドコドコと激しくなる入り方がとてもテンション上がります。
メロディはイントロの雰囲気そのままにせつなく展開していき、バックのシンフォニックとギターの共演が美しく、悲壮感全開の世界観がとても美しいです。

15,
Rage and Forgiveness
(Instrumental)

 一歩一歩大地を踏みしめながら出陣する様子が浮かぶようなミディアムテンポのリズムと、勇ましいメロディを奏でるギター演奏のバランスが心地よい曲です。
うっすらと優しいシンフォニックに、ハモリ多めの熱いギター音がとてもカッコイイです。
終盤に向かって一定のメロディの音の厚みが増していく展開が好きです。

16,
The Call of the Wild
(Instrumental)

 ヴァイキング、パイレーツ・メタルと呼ばれるような曲でよく耳にするようなリズムと、熱いギター演奏が絡み合うとても勇敢男達を連想させる曲です。
バックの刻みリフとわかりやすいヒロイックサウンドが魅力で、途中のピアノ演奏などのアクセントが展開を盛り上げてくれます。

17,
Crows
(Instrumental)

 悲しげなメロディのイントロが胸に響き、行進曲にも感じられるリズムが部分的にある、聴きやすい曲です。
途中のチェロ風やはっきりと前面に出ているギター演奏が良いです。

18,
Memento Mori
(Instrumental)

 アルバムタイトル曲で、もちろん今作品で一番カッコイイ曲になります。
2ndあたりのチルドレン・オブ・ボドムを思わせるようなイントロから始まり、北ヨーロッパのフォーク・メタルのような悲壮感もあり、ロシア民謡のようなせつないメロディの雰囲気も感じられます。

リズムの変化やバックのシンフォニックの厚み、ピアノ音の挿入など曲展開も一番変化に富んでいて、聴き応えのある曲となっています。
個人的にはもっと長編だったらなお良かったと感じます。

最後に

 メロディック・デス・メタルやシンフォニック・ブラック・メタルと呼ばれるものは、インスト好きなわたくしからすると、ヴォーカルモノにしておくのがもったいないと思えるほど、とんでもなく感動的な曲を奏でるバンドが多く存在します。

ワールドミュージックといった観点から考えると、フォーク・メタルやヴァイキング・メタルなんかも民族楽器音がたくさんフィーチャーされていたり、壮大なメロディを聴かせてくれるバンドが沢山います。

アルバムの中に良インストを収録してくれているメタルバンドは、まだまだ沢山いますよ。