期待を裏切らないメロディアスさと、ハイテクニックな演奏のバランスがとても良い。ポジティブサウンドが光る個人的名盤。1作品
作品名:
B.C.A.D(Before Christ & Anno Domini)
[1996年作品]
ミュージシャン:
T-SQUARE
ポップでメロディアスなサウンドが沢山詰まった作品で、ファンの心を掴むT-SQUAREでありますが、個人的に好きなのがこちらのアルバムになります。
メロディアスな楽曲群と、それぞれの楽器一つ一つに耳をかたむけ、何度も視点を変え聴きたくなる素晴らしい作品です。
そして本田雅人さんが在籍しているT-SQUAREの個人的黄金期で、ライブ作品ではないにも関わらず素晴らしい即興的ソロ演奏が楽しめる作品のひとつです。
この作品時メンバー
本田 雅人
CDブックレットより
[サックス]
[EWI]
[フルート]
[PROGRAMMING]
須藤 満
[ベース]
則竹 裕之
[ドラム]
[パーカッション]
[PROGRAMMING]
和泉 宏隆
[アコースティックピアノ]
[シンセサイザー]
安藤 まさひろ
[アコースティックギター]
[エレキギター]
<本作品ブラスパートメンバー>
Brass arrangement on “NAUGHTY BOY" by Jerry Hey
CDブックレットより
Jerry Hey
[トランペット]
Gary Grant
[トランペット]
Larry Williams
[テナーサックス]
Bill Reichenbach
[トロンボーン]
本田 雅人
[アルトサックス]

タワーレコードとレコチョク試聴できます。
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
🎼:T-SQUARE
(聴きやすさ)
🟠🟠🟠🟠🟠
ポップなポジティブメロディはもちろん、異国情緒あふれる曲からしっとりとした曲、元気の出るロックな曲と聴きやすいメロディに溢れています。
(抒情的美メロ)
🟠⚪⚪⚪⚪
すべての曲がメロディアスですが、涙を誘うようなせつなさ、悲壮感のようなメロディ漂う曲はありません。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🟠🟠🟠🟠⚪
各曲ごとのソロ部分や、曲の最後にソロを入れているものが多く、全曲が演奏をじっくり楽しめると感じました。
ベース、ドラムは全ての曲で平均的にテクニカルな演奏が聞こえてきます。
(民族音楽的要素)
🟠⚪⚪⚪⚪
異国の民謡的伝統音楽の雰囲気を感じる曲はありますが、ワールドミュージック、ニューエイジ的な要素は少ないと感じます。
(壮大・神秘・幻想的)
⚪⚪⚪⚪⚪
1曲目の『勇者』はヒーローメロディな印象を若干受けますが、ファンタジックという意味では全体的に無しと言えると思います。
テンポが良く疾走感のある曲と、じっくり聴かせるミディアムテンポの曲、しっとりとした静かで優しい曲がちょうどバランスよく入っています。
ポップなサウンドが最大の特徴であるT-SQUAREの、期待を裏切らない聴きやすい曲展開が楽しめます。
奇才と呼ばれることもある、本田雅人さんのラストソロが光る曲がとても多くテンションが上がります。
各曲感想
1,
勇者(YUH-JA)
作曲:則竹 裕之
アミューズメントパークのパレードを思わせる、ワクワク感と明るく楽しいメロディがミックスされた曲です。
主旋律パートがEWIになっていることによって、おもちゃ達が動き出し元気に行進しているような楽しい夢の世界のような雰囲気がイメージできます。
そしてサビにあたる部分では、しっかりとタイトル通りの勇敢さが感じ取れるメロディになっており、とても大好きな曲です。
小気味良い則竹裕之さんのドラミングと最後のEWIのソロも聴きどころです。
2,
PIOGGIA DI CAPRI
作曲:須藤 満
アコースティックギターとフルートの、哀愁漂感と少しさみしい雰囲気が感じられる曲です。
派手なチョッパーベースは控えめですが、ベースラインがとても気持ち良く静かに身体を揺らしたくなります。
ラストのピアノソロでフェードアウトしていくのも素敵で、うっとり聴き入ってしまいます。
3,
VICTORY
作曲:安藤 まさひろ
スポーツのテーマがとても似合いそうな、明るさと勇敢さを感じられる曲です。
バックの力強いピアノの伴奏にエレキギターのロックな演奏が乗って、その隙間をサックスの重厚な演奏が攻めてくる感じで格好良いです。
勇壮なメロディもありますが、全体的には明るいポジティブメロディの方が目立ちます。
4,
NAUGHTY BOY
作曲:安藤 まさひろ
ブラスのパートと本田雅人さんの突き抜けるようなサックス演奏がミックスされた、メロディ重視の曲というよりは演奏バトル的な感じです。
とはいえメロディはしっかりしているので、ジャズファンク的なノリで音を浴びるように聴ける曲です。
5,
LATELY
作曲:安藤 まさひろ
とても優しい気持ちになれるふんわりとしたサウンドの曲です。
ヴォーカル曲にしても合いそうなしっとりポップな雰囲気で、最初はとても柔らかい感じで進行していきますが、後半に行くにつれ雰囲気そのままにどんどん盛り上がっていく展開が、グッときます。
6,
CIAO!!!
作曲:本田 雅人
初期の頃のTHE SQUARE時代を思わせる、サックスバリバリの勢いのある曲です。
最初から最後まで本田雅人さんの激しいサックス演奏が聴けるのが魅力の展開で、ライブで見たら即興ソロプレイが沢山出現するんだろうなと想像できる1曲です。
7,
BOSSA GRIGIA
作曲:和泉 宏隆
邦画作品のサントラでありそうなどこか懐かしいレトロな雰囲気と、逆にニューヨークなど大都会の夜景をホテルから眺めているような大人な一幕も似合いそうな雰囲気を両方感じれるような曲です。
凄くせつない感じではないのですが、じんわりと胸にしみるメロディをピアノとサックスメインで優しくし表現されていると思います。
8,
SUNSHINE SHOWER
作曲:安藤 まさひろ
こちらもT-SQUAREならではと言えるような格好良い曲です。
ミディアムテンポで疾走感はあるわけではありませんが、親しみやすいメロディと一歩一歩踏みしめているようなリズムが心地良く、繰り返し聴きたくなる中毒性のある曲です。
ラストのEWIソロが個人的にたまらなく気持ちいいです。
9,
TERRA DI VERDE
作曲:和泉 宏隆
どこか懐かしい世界観が極上に素敵なピアノソロ曲です。
誰かに感謝を伝えたり、思い出回想シーンなどに使用されたらすぐに泣いてしまいそうな、さみしさと暖かさの両方を感じれます
最後に
このアルバムに出会ったのは、ちょうどゲームミュージックのアレンジ作品にハマっていた時期で、好みで言うとメロディ、世界観は断然ゲームミュージックの方が勝っていたのですが、演奏感に関しては少し飢えていました。
そんな時に、メロディの良さは保証されているT-SQUAREのCDが欲しくなって買ったのをおぼえており、結果大当たりだったと嬉しかった思い出もおぼえています。
そんなテクニカルな演奏をポジティブサウンドでポップに聴かせてくれ、方向性が大きく変わることなく安心感をもって聴くことができるT-SQUAREにただただ感謝。
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