ラテンの陽気でダンサブルなサウンドが多めで、哀愁たっぷりの切なメロディーもしっかり味わえる。現実逃避で国内小旅行など、海岸沿いがバッチリ似合うラテンフュージョン1作品。
JUNE JULY AUGUST
~SUMMER PIECES~
松岡直也
(1990年作品)
私自身がそうなのですが、沢山ある音楽ジャンルで聴いてみたいものがあった時、試しに本場のアーティスト作品を聴いてみたりすると、正直好みに合わなかったりして、「これが本場かぁ〜」とガッカリすることがよくあります。
そこで、わがままな私の好みをいつも救ってくれるのが国内ミュージシャンです。
日本人好みのサウンドを、本場の技術をしっかりと押さえつつ表現し、制作してくれるミュージシャンにとても感謝しております。
そんな、いつも感謝・感謝のミュージシャンの代表みたいな存在だったのが、松岡直也さんです。
本場のラテンサウンドに、日本人好みな哀愁漂う、そしてポップなメロディーを融合させ、しかも民族音楽にならずに、いつもギター演奏がハードでロックとの融合もしている、スペシャルなサウンドを作り上げてくれていました。
今回紹介する作品は、ラテン・哀愁感ポップ・ロックと、全体が平均的に混ざりあった夏感たっぷりのポジティブサウンドになっていると思います。
ポイント
レコチョクは試聴が出来ます。
感動メロディが好みの私が聴いた作品全体感想
🎼:松岡直也
今作品メンバー
各曲感想
1.
DEPARTURE
〜一瞬の永遠〜
2曲目に途切れずつながるオープニング曲です。
シンセの美しい音とメロディが、1分28秒と短い曲ですが、タイトル通り出発にぴったりな曲です。
2.
SUMMER BEAT PARADISE
〜楽園の女神たち〜
とても優しい雰囲気の曲で、スチールドラムの音色とベースの気持ち良いリズムが身体に響いてくる、ノリの良いサウンドになっております。
3.
TRANSPACIFIC TOUR
〜海流の中の島々〜
和田さんの気持ち良いギターサウンドが堪能できる、明るい雰囲気でサンバ風味もちょこっと感じられる曲です。バックのラテンピアノも心地良いです。
4.
EARLY RISING GIRL
〜君といた最後の夏〜
スローな曲で、シンプルなピアノインストが楽しめます。
伸びやかなバックのシンセサウンドが癒やしを感じさせ、曲のタイトルのように悲しいような雰囲気ではなく、楽しさの思い出が演出されていると思います。
5.
A LONELY SEA BIRD
〜彼女がサヨナラと言った砂浜〜
少し切ないメロディも出てはきますが、こちらもタイトルから連想するような悲しい雰囲気ではなく、どちらかと言うと明るい曲になっていると思います。
フルート音色で進行するノリの良いサウンドです。
6.
THE CHASE
〜水の中の稲妻〜
少し不思議な雰囲気の曲で、ファンクロックとラテンを融合させた感じに聴こえます。
哀愁感や切なメロディが全く無いので、グルーヴを身体で感じて楽しむ曲になっていると思います。
7.
NIGHT IN MADRID
〜哀しみのマドリッド〜
こちらはタイトル通りの雰囲気です。
哀愁感満載で、松岡直也さんの得意とするタイプの切なサウンドになっています。ピアノ演奏をたっぷりと堪能でき、バックのクリアなシンセ演奏がドラマチックに展開し哀しく盛り上がる曲です。
8.
DANCING SERENADE
〜踊りながら夏が逝く〜
このアルバムの中で一番好きな曲です。
リズム・テンポ・メロディ全てが好みで、メインメロディを1番はピアノで2番はギターで演奏する好きなパターンで、長めのピアノのソロが情熱的に展開していき、最後は泣きのギター演奏が華を添えるカッコイイ曲です。
9.
DOWN BY THE SEASIDE
〜君はいつも夏の匂いがした〜
グランドフィナーレ的な雰囲気のラスト感がある曲です。結構好きなタイプで、最後という意味合いな感じではなく、この先も続く希望的なメッセージが強く感じられる明るいタイプの曲です。ピアノの演奏メインで綺麗にラストを飾っていると思います。
最後に
曲に全てサブタイトルが付いていますが、ブックレットにそれぞれの曲をイメージした、売野雅勇さんのポエムが付けられています。こちらのポエムを読みながら聴くと、世界は限定されてしまいますがとてもイメージ画が浮かびやすいかもしれません。
松岡直也さんの作品の中で、個人的にはハードなサウンドを聴かせてくれるアルバムの方が好みではありますが、純粋にラテンサウンドを堪能するのにとても良いタイトルだと感じました。
私の好みな心震わす涙モノのメロディ満載物は、松岡直也さんの作品でまだまだ沢山ありますので、リアルタイムで知らない若い世代の方にも是非味わって頂きたいと思います。
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