ライヴアルバムではないのに、コンサート会場で聴いているような豪華さある。アニメならではのFantastic Orchestra Sound。1作品

TVアニメ
『月とライカと吸血姫』
オリジナルサウンドトラック
(2022年作品)

 感動的なメロディック・インストが大好物なわたくしにとって、アニメ&ゲームミュージックは安定のジャンルになるわけですが、更にこちらのアニメは、光田康典さんが作曲しているので、聴くまでもなく美しいメロディが保証されているというわけです。

名前を聴いただけで、ワクワクさせてくれるというのは本当に素晴らしく、人々に夢と感動をプレゼントできる音楽の才能に、心から憧れます。

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目次

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演奏ミュージシャン
(CD表記より)

All Music Composed
by 光田 康典

感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想

メロディック
(聴きやすさ)

癒やし、壮大、勇壮といった言葉が合うメロディックサウンドで、最初から最後まで飽きのこない内容となっております。

涙腺刺激
(抒情的美メロ)

割合的には多くないのですが、感動エンディングを連想させてくれる雰囲気のメロディや、せつなく悲しみを表現しているようなメロディなど、心に沁みる曲がしっかりとございます。

演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)

クラシック音楽を聴いているのに近いので、演奏はもちろんしっかりしていますが、曲構成のバランス重視といった感じで、楽器ごとで前に出てきて、テクニカルに乱舞するようなパートはありません。

ファンタジーな世界観
(壮大・神秘・幻想的)

これを壮大ファンタスティックサウンドと言わずして、何をファンタスティックと呼ぶか?と、胸を張って主張できる王道ファンタジーサウンドです。
★5にしなかったのは、光田康典サウンドの売りの一つでもある、民族音楽的な要素がほとんど感じられなかったからです。

ヒロイック
(勇壮や鼓舞メロディ)

壮大ファンタスティックサウンドなのは間違いないのですが、『戦闘向かう場面』『決戦』『BOSS』『戦いでしかわかり合えない悲しきさだめ』と言ったようなワードを連想できる曲が少ないと感じます。

ワールドミュージック色
(民族音楽的要素)

『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』といった、光田康典さんが生み出す民族音楽性の強いメロディを期待してしまうと、少しガッカリしてしまうかもしれません。
もちろん何曲かはあります。

疾走感

とてもゆったりとした時間が流れているような曲がほとんどで、1曲の流れとしても緩急で魅せるようなものもほぼ無しです。
激美メロの行進曲と、激美メロのヒーリングミュージックが沢山入っているイメージです。

曲展開

演奏家をしっかりと起用した素晴らしい音楽が聴けるのですが、やはりTVアニメのサントラなので、1曲の時間が短く、交響曲のような展開はありません。

レコチョクは▶️ボタン、タワーレコードは収録内容ページから、試聴ができます。

🎼:光田 康典

各曲感想(DISC1)

1,
月とライカと吸血姫 -Main Theme-

 実際にクラシックコンサートのスタート1曲目としてありそうで、優しさと壮大さが絶妙に合わさった曲です。
個人的にクラシック音楽の醍醐味だと思っている、管楽器と弦楽器の織りなすハーモニーをたっぷりと堪能できるワルツとなっております。

2,
緋ノ月(TV-size)
[ALI PROJECT]

 ALI PROJECTが歌うオープニングテーマです。

3,
いつか宇宙へ

 イントロからゾクゾクするメロディで、とても勇壮さと緊張感がある激しめの曲です。
個人的に求めているのはこういう曲なので、短いのがとても残念ですが、こちらもバックを支えるストリングスと、熱く高々と演奏されるホーンの勢いがたまらないです。

4,
共和国国歌

 城下町の賑やかな日々の生活をイメージしているような、明るさと爽やかさを併せ持った曲だと思います。
行進曲と言った雰囲気の中、ホーンの音をたっぷりと感じることのできるところが満足です。

5,
チーフデザイナー

 しっとり落ち着いた弦楽器の演奏が聴ける少し重い空気感のある曲です。 
ストーリーを知らないわたくしにとって、曲名と音楽がイメージとして全く繋がりませんが、あやしい雰囲気と抒情的なメロディが上手く共存しています。

6,
呪われた種族

 物語内の悪者側のテーマでよくありそうな、権力と企みを表現しているようなあやしくも可憐な曲です。
低音を担当する弦・管楽器の、静かに歩み寄ってくるような演奏が良いです。

7,
極秘作戦「N計画」

 クラシック音楽のピアノコンサートを見ているような、強弱と美しいメロディをたっぷりと楽しめる曲です。
こういった独奏曲は、個人的に超長編が好きなので極短曲で残念ですが、凄く引き込まれる演奏とメロディです。

8,
アーニャ登場

 少しコミカルでとても平和的な曲です。
静かな楽曲の割に、次々と登場し重なっていく楽器の音がとても気持ち良いです。

9,
異種族の壁

 空間で発せられる自然音を楽器で表現しているような静寂から、突き刺さるような弦楽器の表現で喧噪の流れをたっぷりと感じられ、驚かせる演出などの恐怖の場面でよく聴くような曲です。

10,
レフの苦悩

 せつなさの雰囲気の中に勇壮さが見え隠れするとても胸に刺さる美しい曲で、なにかの決断に対する苦悩感がわかりやすく伝わります。 
内容を聴いて、曲名の意味をしっかりと感じられるものはとても素晴らしいと思います。

11,
アイキャッチ ver.Piano

 穏やかなピアノ独奏アイキャッチ。

12,
今日の料理

 1コーナーの曲なのでしょうか?アイキャッチのような数秒曲です。

13,
アイキャッチ ver.Orchestra

 なぜかオーケストラの良さが一瞬で伝わるアイキャッチ曲。

14,
宇宙飛行士への道

 緊張感のあるイントロからすでに格好良く、わたくしの大好物な、せつない勇壮メロディが素敵な曲です。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャアを筆頭に、宇宙戦争などをテーマにした作品などでよく出会えるような曲の雰囲気と、ゲームのファンタジーRPGの世界観を合わせたようなコズミックと土臭さの融合と言った感じです。

15,
マールイの船

 暗い曲ではありますが、なんとなく高貴なお城の人間模様などのシーンを思い浮かべるようなイメージのワルツです。

16,
当たり前の景色

 曲名からもどこかせつなさが伝わってくる、少し寂しさを感じる優しい曲です。
バックで奏でられている、バラライカのトレモロ奏法が胸にしみます。

17,
宇宙への道

 苦難を乗り越えた状況や、内に秘めた熱い思いなどがイメージできるような、とても勇壮なオーケストラサウンドです。
映像作品に付ける音楽というのは、シーンを盛り上げるのが役割の一つだと思いますが、この曲を聴くと『月とライカと吸血姫』という作品が素晴らしいものだというのが、作品を知らないわたくしにも凄く伝わってきました。

18,
炭酸レモン

 こちらは逆に曲名からすると、「なぜこんな素敵な曲でこのタイトル?」と思ってしまうほど感動的な曲です。
ピアノとストリングスが織りなす旋律と、後半にいくにつれ盛り上がる管楽器の存在感ある演奏がとても素敵です。

19,
実験体

 少し恐ろしい曲名ですが、ピアノと優しいストリングスの哀愁ある曲です。
悲しき定めみたいなものは伝わってきます。

20,
Simple Life 〜 My Beloved ver.Orchestra

 寂しさを感じる前半から、後半に盛り上がるとても好きな曲展開の曲です。
やはり短い曲なので、もしも長編であればきっと目頭が熱くなるのは間違いないと思います。

21,
同志

 故郷での思い出に浸っているような、寂しさと穏やかさを上手く融合させた曲だと感じます。
特に、バラライカのトレモロ奏法が、のどかさを演出してくれていて癒やされます。

22,
ありふれたいつか(TV-size)

 ヴォーカル曲です。

23,
次回予告

 こういう必ず毎回同じ場面で使用する曲を聴くと、やっぱりプロの音楽家とは素晴らしいと改めて感じます。
期待を凄く感じるワクワク感が止まらない、明るく鮮やかなオーケストラサウンドです。

各曲感想(DISC2)

1,
宇宙開発史

 何かの式典などのオープニングのような希望に満ちた雰囲気のあるメロディです。
ファンファーレのような高らかに響き渡るホーンの演奏が心地よいです。

2,
いざ、宇宙へ

 何かトラブルめいた事が発生した状況を打破するかのような、勢いと危機迫る感じが格好良い曲です。

3,
イリナの回想

 暗い雰囲気で陰鬱な感情がにじみ出ている曲です。
チェロの演奏が雰囲気出しております。

4,
種族の精神

 フラメンコ・パルマとアコーディオンの演奏が、民謡感のある雰囲気がとても良い味を出しております。
パーカションとアコースティックギター演奏も小気味よく、テンポは速くないのですがノリの良い曲です。

5,
氷の息

 雪や氷の結晶がちらついて、空気の流れが少なく時が止まっているような光景が浮かぶ部分と、優しさなど感情としての暖かさの真逆な雰囲気が感じ取れる曲だと思います。

6,
なんの検査!?

 病院などの検査場で、被験者に対してごまかし説得なんかをしているような場面が浮かぶ、コミカルでノリの良い曲です。
ビシッと綺麗にそろった盛り上げ部分の演奏が爽快です。

7,
素直になれない気持ち

 大きな決断前の伝えたい気持ちのようなものが感じ取れ、気持ちの揺らぎなどメロディから伝わる切ない曲です。

8,
湯上りの一杯

 一杯を楽しむ前のイメージよりも、すでに気分が良くなってしまっている状況を表している感じのほうが強く、千鳥足な動きが真っ先に浮かんできました。
ゆったりとした部分とバシッと決める部分の強弱演奏が、指揮者の腕の見せ所だと感じます。

9,
かりそめの日常

 とても穏やかなはじまりから、壮大な盛り上がりと優しい締めで、極短ながらインパクトのある曲です。

10,
ジャズバー「ズヴェズダ」

 ピアノとトランペットで、気持ちの良いスウィングが楽しめる曲名通りのJAZZです。
ピアノとトランペットがそれぞれ独立して違う曲を演奏していて、偶然曲として成立しているかのような後半の部分が、とてもテンション上がります。

11,
気分スカッと!

 特徴のある曲名で、当然ビシッと鋭そうなイメージをしてしまいますが、マリンバとフルートで優しくささやくような演奏の曲になっております。

12,
夜間飛行

 ウッドベースのリズムが響き心地良く、ホーンセクションのスウィングジャズがたっぷりと楽しめます。
オーケストラサウンドでずっと来ている中で、ドラムセットを使用したバンドサウンドがとても新鮮に聞こえます。

13,
昔話

 夜景の見える高級レストランなんかが頭に浮かんでくるような、ピアノメインとしたお洒落なバンドサウンドとなっております。
こちらもウッドベースのリズムが響き、ブラシを使ったドラミングがジャズ感を引き立てております。

14,
おせっかい

 アコースティックギターと管楽器の織りなす穏やかで癒やされる曲です。

15,
安らげる場所

 曲名通り安らげるイメージと、後に死闘が待ち構えているような、嵐の前の静けさ的な緊張感も感じられます。
メインではないですがクラリネットの音色が妙に印象的な寂しさ寄りの曲です。

16,
不穏な影

 アコースティックギターとヴァラライカの演奏で、荒廃した世界でもイメージしているような、寂しさと少しの恐怖感のある曲です。

17,
冷酷な仕事

 重苦しい雰囲気で、オーケストラらしい打楽器のリズムとストリングスの響きが緊張感を演出しています。

18,
レフの決意

 勇壮オーケストラの極みと言える格好良い曲です。
美メロという意味では少し弱いですが、勇敢な戦士を称えるような、強さと覚悟がとても伝わってきます。
グランカッサ、合わせシンバルの激しく轟く演奏がとても映えます。

19,
無事着陸

 乗り物から眺める神々しい太陽の光などがイメージとして浮かび、同時に達成感と安堵が感じられるファンタジックな曲です。

20,
雪解けのレフ

 ピアノとトランペットのSmooth Jazzといった感じで、気持ちの落ち着くメロディの曲となっております。
短いですがお洒落なピアノソロパートもあり、聴き応えのある曲です。

21,
一番乗り

 別れを含んでいそうな少し寂しさのあるメロディで、感情に浸っているような印象を受けます。

22,
夢のあと

 仲間への手紙などを書きながら、思い出に浸っているようなエンディング感が漂うあたたかい曲です。
ピアノの旋律が美しく、とても癒やされます。

23,
Simple Life 〜 My Beloved

 ヴォーカル曲です。

最後に

 アニメのサントラは、ほとんど作品を知らずに解説を読んだ印象を頼りに、半分ジャケ買いのような感じで聴くことが多いのですが、個人的な好みに合うか合わないかの当たり外れはあります。

わたくしがCDを買い始めた時代は、現在のようにネットなどあらゆる場所で試聴することが出来る環境ではなかったので、店頭試聴にラインナップされていない作品は、CD帯の解説や雑誌の解説などの情報と、ジャケットから連想される雰囲気だけで購入していました。

そういったことから、どんな曲が入っているか完全にわからない状態で購入するのは、そこまで抵抗がなくドキドキ感も意外に楽しみの一つだったりします。

気に入ったジャケットであれば、飾っておくだけで価値を感じます。

ネットのサブスクで音楽を聴くのが当たり前になって、CDがどんどん廃れていってるのは、古い人間にとってとても淋しく感じます。

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スマートフォンがほぼ当たり前になっている現代、電源のいらない楽器であれば、外出する手間はありますが車で出掛け、どこか景色の良い周りに迷惑のかからない安全な場所に駐車し、自分だけの好きな空間でレッスンを受ければよいわけです。

専用バッテリーとか、シガーソケットが付いてれば専用コードで要電源楽器でもいけるのか?
そこまではわからん(笑)

楽器を始めなかったわたくしが言っても説得力はありませんが、挑戦してみると人生変わるかもしれません。

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