優しさ溢れる王道ファンタジーサウンドを、生演奏の良に加え、1曲1曲の長さもコンパクトにすることにより、サウンドトラックのように次々と飽きずに楽しめる。1作品
作品名:
SWORDS ART ONLINE
FILM ORCHESTRA CONCERT 2021
(2021年作品)
演奏:
東京ニューシティ管弦楽団
作曲・監修:
梶浦由記
音楽との出会いは聴きたい曲を手にするのももちろんそうですが、どんな曲か知らずにドキドキ♪ワクワク♪するのも楽しみの1つだと思います。
こちらの作品も、そんなドキドキ♪ワクワク♪の衝動から、インスト作品である事だけきちんと調べたうえで、ショップでやるジャケ買いのような気持ちで購入したものです。
ということで、ソードアート・オンラインという作品は、名前を聴いたことがあるだけでどういう物語かは知りませんでしたが、ジャケットが表している通りファンタスティックな内容でした。
コンサートの模様を収録したライヴCDではありますが、曲間での観客の拍手や歓声などがほとんど入っていないため、臨場感は残念ながら感じられませんでした。
そして、割合的にはインストゥルメンタルの数が勝っているのですが、ヴォーカル曲も多数あるためインスト好きのわたくしは少し残念でした。
ですが、1曲の長さが短くその分曲数が多い構成は、クラシック音楽に近い世界観をサラッと聴けるという意味で魅力だと思います。
感動的メロディーが好みな私が聴いた場合の全体感想
(聴きやすさ)
🔴🔴🔴🔴⚪
映像作品に付く音楽なので、雰囲気では明るい暗いありますが、メロディに関しては美しいものでほぼ構成されています。
(抒情的美メロ)
🔴🔴🔴⚪⚪
感動を誘うメロディは収録数が多いため何曲かありますが、残念なことにそういった曲に限って、コーラスがメインとなってしまっていて、インストとして純粋に楽しめない部分はあります。
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🔴⚪⚪⚪⚪
いわゆるボス曲のような特に激しい曲が無いのと、管弦楽というまとまりを大事にする編成でのコンサートなので、魅せプレイなどが感じられる場面は無いに等しいです。
(壮大・神秘・幻想的)
🔴🔴🔴🔴⚪
中世のヨーロッパの世界観がパッと頭に想像できる、王道ファンタジーと言えるサウンド揃いです。
(勇壮や鼓舞メロディ)
🔴🔴⚪⚪⚪
英雄を称えたり、勇気を振り絞り立ち向かうような場面に合うメロディは沢山ありますが、ここでは1曲の短さが裏目に出ている印象で、曲自体の展開がシンプルすぎてあまり刺さりませんでした。
(民族音楽的要素)
🔴🔴⚪⚪⚪
管弦楽なので、もちろん民族楽器の使用はありませんが、ヨーロッパ地方の民謡調といった意味では感じられます。
全体的にゆっくりとした時の流れをイメージできる印象で、曲ごともミディアムテンポがほとんどなので、聴きやすい反面スリルはあまり感じられません。
個人的には長い曲が好きなので少し物足りないですが、早い展開で次の曲へと進んで行くので、作品全体が1曲という超大作な捉え方もできると思います。
🎼:ソードアート・オンライン
🎼:梶浦由記
Recommended Works
※(初回生産限定盤)と(通常盤)あり

タワーレコード(各商品ページ)、レコチョクは試聴できます。
各曲感想(DISC1)
※生演奏ではありますが、それぞれの曲がとても短いので、感想を表現するのが難しく一言だけ述べる形になっている曲が多いです。
1,
aincrad
幕開け感がとてもあり、ファンファーレのような管楽器の演奏が響く美しい極短曲です。
2,
swordland
少しのせつなさと大きな勇ましさがとても胸に刺さる勇壮サウンドです。
打楽器パートがとても力強く、ハードロックなどのバンドサウンドで感じるような勢いもあります。
3,
the first town
砂漠地帯の小さな村など、少し寂れた雰囲気などがイメージできるような南アジア民謡あたりの雰囲気が感じられます。
ただ、ほぼヴォーカル曲なのでインストゥルメンタルとは呼べないです。
4,
luminous sword
神秘、勇壮さのあるメロディと、しっかりとした打楽器演奏があり、短い曲ながらピアノ演奏の静寂が入ったりとカッコイイ曲です。
コーラスの割合が多いのが残念です。
5,
a tender feeling
ピアノとストリングスで穏やかな世界観を演出している、癒やしを感じる優しい曲です。
6,
at our parting
月の見える神秘的な森の中にいるような、人間模様よりも大自然の細やかな現象を表現しているような曲です。
7,
fly higher and faster
目の前に絶景が現れたような爽快さを感じる明るい曲です。
オーケストラサウンドの良さが現れ、一体感が全面に出た壮大な曲です。
8,
aerial fight
わたくし好みな、せつない勇壮メロディ満載のヒロイックサウンドです。
緊迫感のある打楽器のリズムと、管弦のそれぞれの音が交差する広がりが素敵です。
9,
false king
作品上の主人公に敵対する存在のテーマ曲としてイメージできる、コーラスメインの激しくダーク曲です。
10,
dance with me
メインと言うよりは、一時の平穏な空間のバックで流れていそうな控えめの優しいワルツといった感じです。
11,
Death Gun
何かの企みや不穏な動きなどのシーンでありそうな、少し陰湿なムード漂う曲です。
後半のリズム楽器が、ドラムセットで叩いているような聴かせ方になっているのが印象的です。
12,
moon and shadow
どこか辺境の地を連想できるような、ヴォーカルとインストが半々ぐらいの民謡調溢れるです。
13,
you are not alone
ヒューマンドラマにも合いそうな、寂しさと優しさがミックスされた穏やかな曲です。
聴く側の心情によって、悲しく聞こえたり暖かく包まれるように聞こえたりするタイプのメロディだと思います。
14,
fight in the OS
激しさはあまりないですが、出陣前の緊張感などが感じ取れる特に短い曲です。
15,
let’s join swords
前半は少し抑えめで、目的へ向け進軍して行くような雰囲気が伝わってくる感じなのですが、中盤で2曲目の『swordland』メロディが入り一気に盛り上がります。
2曲目よりリズムも激しさを増しテンポアップしており、壮大さ増しのテンション上がる感動展開です。
16,
dalete
オペラのような、日本語の完全ヴォーカル曲になります。
17,
smile for you
優しいオーケストラサウンドをバックに歌い上げる、日本語のヴォーカル曲になります。
各曲感想(DISC2)
1,
a peaceful landscape
何気ない日常の中に映る自然の景色や、移りゆく時の流れなどをしみじみと感じながら聴きたくなる穏やかな曲です。
2,
her name is Alice
1曲目と雰囲気はとても近い曲調ですが、こちらは曲名にある通り、どこか人物の人柄や所作だったりを表現している、テーマ曲のような優しさがあります。
3,
we have to save her
!
気高き王国や騎士団などの、威厳、功績など歴史を第三者に印象付けるような勇ましい曲です。
力強く少し重たい空気を醸し出しそのまま終了すると思いきや、最後に勇壮で抒情性あるメロディが現れるのがとても良いです。
4,
find your sword in this land
オペラ的ヴォーカルパートと、バックのせつなくもヒロイックなオーケストラサウンドが気持ちよく重なるカッコイイ曲です。
テーマ曲的位置づけの、『swordland』のメロディも中盤で入る感動的な展開です。
やはり短いのが残念です。
5,
the days in Swordcraft Academy
ハープの音色が神秘的で、少し恐怖を煽るような寂しさを感じる森の中で妖精たちが舞っている情景や、現実で言えば思案に暮れながら静かな古都の高台を散歩する。といった雰囲気が似合いそうな曲です。
6,
crossing a dangerous bridge
騎士団の防衛拠点テーマなどが頭に浮かぶ、ずっしりと一定に刻む打楽器のリズムが重厚で、張り詰めた空気などが伝わるストリングスのハモりが綺麗な曲です。
7,
a desperate battle, no way back
進軍するというよりは、攻め入る敵を迎え討っている情景が浮かび、有能な指揮官の下、士気が高まっている様子などが感じられる勇敢な曲です。
8,
she was sitting under the osmanthus tree
静かに優しいメロディで始まり、打楽器のリズムとコーラスで激しさを上げていく部分や、せつないメロディなどが、宿命や因縁の対面などが感じられる悲しめな曲です。
9,
the battle with Chudelkin
少しアラビアチックなメロディと、妖艶さや人ならざる者などを表現しているような、暗雲立ちこめ恐怖するようなサウンドです。
後半打楽器が激しくなりテンポアップしていく展開が格好良いです。
10,
a holy sword in his heart
「生きて戻れないかもしれない…」こんな言葉が出るような人間ドラマのシーンに合いそうな、優しくもせつない曲です。
11,
a sword of bravery in her heart
勇壮なイントロから一気に静まり、フルートの音色からおどろおどろしい雰囲気へと変わり、コーラスで盛り上げるなど、短い時間で状況表現する細かな展開が良いです。
12,
this is the price of the war
闇深い儀式の演目が繰り広げている様子が想像できるようなコーラス全開の重厚な曲です。
ファンタジーの世界で民族的踊りにありそうなリズムが妖しくダークな世界観を演出しております。
13,
together we are awesome
歴史あるヨーロッパ王家のパーティーで立食しながらの自由行動時に生演奏されているような、ポジティブな雰囲気の曲です。
14,
the final war
最終決戦最中というより、決戦前の士気を高める場面、あるいは攻め入った際のボスが姿を表す場面などをイメージできる曲です。
重厚感のあるリズムとストリングスの鋭いハーモニーが、激しめなコーラスと合わさり緊張感を感じさせてくれます。
15,
now the time has come
決戦後を終え安堵に浸っているような雰囲気のある優しい短曲です。
16,
the Human Empire Army
平和をもたらした隊の帰還などが想像でき、勇壮で気高い様子が感じられる軍のテーマ曲を演奏して迎えているような印象の曲です。
17,
if she was here #2
ピアノと囁くようなオーケストラ演奏が、脅威から開放された世界を表現しているようです。
それと同時にこれで最後というようなメッセージも感じられ、少し寂しい曲です。
18,
longing
エンディングロールといった感じの演出を感じる選曲です。
メロディも極上でせつなく抒情的で、フィナーレにふさわしい壮大なアレンジのヴォーカル曲です。
最後に
今回は店舗でジャケ買いをするような感覚で通販ポチッとした訳ですが、絵から読み取れる想像とぴったりなファンタスティックサウンドに出会えました。
20年前くらいには、店舗に行きそれぞれのジャンルのインストを、全く知らないのにCD帯のコメントだけを頼りに、一度に数枚購入するということをよくやっていました。
好みとは違う内容だったことも多々ありましたが、本当がむしゃらにCDを購入し、新たな出会いを求めることを楽しんでいました。
ネットの普及で現在はお手軽に内容をリサーチ出来るので、とても便利にはなりましたが、あえて調べずにワクワク!ドキドキ!を楽しむのも良いと思います。
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