シュレッドでハードなギターの音ってゾクゾクしてテンション上がるなぁ。メロディアスな速弾きギターがたっぷりなインスト1作品。
作品名:
PATH OF THE HERO
(パス・オフ・ザ・ヒーロー)
[2020年作品]
ミュージシャン:
CHRISTIAN MUENZNER
(クリスティアン・ミュンツナー)
シュレッド奏法のように、芸術的な指の動きで音が隙間なく次から次へと押し寄せてくる演奏は、とても興奮しますし花形ですよね。
聴覚的にはもちろんそうですがプラス視覚にも訴えてきますし、楽器の演奏という枠を超え演舞を見ているようで、技や芸術性を競うスポーツなどにも似ているところがあると思います。
1小節中の音符の数が大量に増えれば、テンポの遅い曲でも速弾きという形になってきますし、どんな楽器でも目を見開くようなプレイになってくると思います。
魂を込めて身体を揺らしながら、左右の手で押し鳴らす鍵盤楽器の速弾き。
どんな肺してるの?と思わず言いたくなる管楽器の速弾き。
全種類とは言えませんが、強靭な体力が必要な打楽器の速弾き。
等々大まかにあり、全てが大変なスキルを要すると思いますが、わたくし個人的に凄いと感じるのが弦楽器です。
楽器の種類により違いはありますが、弦楽器の場合片方の指ともう片方の指もしくは弓のタイミングがピッタリ合って1つの音が綺麗に出るので、恐ろしく繊細で緻密な動きが必要になってくるのだろうと感じます。
速弾きギタリストと言われるプレイヤーは、まろやかで流れるように奏でる人と、激しく1音1音の存在感が強い人の2パターンがいると個人的に思います。
今回紹介するクリスティアン・ミュンツナーは、後者の方でエッジの効いたパワフルな速弾きが堪能でき、全編インストゥルメンタルということで、演奏に全力で耳を傾けられるメタルな作品です。
作品ポイント
・トータル収録時間は39:18と短めですが、メロディアスに重点を置いている印象で良い。
・じっくり聴かせる曲からスピードメタルまでバランスよく収録。
・他の楽器との派手な絡みはなく、エレキギター中心の演奏がじっくり聴ける。
レコチョク、タワーレコード(商品ページ下部)試聴できます。
レコチョク内アルバムタイトルが間違っております。
タイトルは『パス・オブ・ザ・ヒーロー』です。
レコーディングメンバー
Christian Muenzner
CDブックレットより
(クリスティアン・ミュンツナー)
【ギター】
Jimmy Pitts
(ジミー・ピッツ)
【キーボード】
Hannes Grossmann
(ハネス・グロスマン)
【ドラム】
Jerry Twyford
(ジェリー・トゥワイフォード)
【ベース】
1,2,7,8,9曲目
Linus Klausenitzer
(リナス・クラウゼニッツァー)
【ベース】
3,4,6曲目
感動的メロディーが好みの私が聴いた場合の全体感想
メロディアス
(聴きやすさ)
🟣🟣🟣⚪⚪
涙腺刺激
(抒情的美メロ)
🟣⚪⚪⚪⚪
演奏乱舞
(ソロパートなど魅せプレイの充実度)
🟣🟣🟣🟣🟣
曲展開
(←シンプル・複雑→)
🟣⚪⚪⚪⚪
疾走感
(⬅スローテンポ多・アップテンポ多➡)
🟣🟣⚪⚪⚪
ワールドミュージック色
(民族音楽的サウンド)
⚪⚪⚪⚪⚪
ファンタジック
(壮大・神秘・幻想的)
🟣⚪⚪⚪⚪
🎼:CHRISTIAN MUENZNER(クリスティアン・ミュンツナー)
各曲感想
1,
KNIGHT RIDER
ネオクラシカルと正統派メタルが絶妙に融合したスピードチューンです。
アクションRPGのボス戦などでありそうなヒーロー系のメロディと、古き良き鋼鉄サウンドを感じさせるバックのリフがバランスよく合わさった良曲です。
メロディ部分の演奏はとことん速弾きで、とても爽快なサウンドで駆け抜けます。
2,
DEMON ANGEL
イントロはメタルサウンドを感じさせますが、全体的にはギターフュージョン色が強いと思います。
速弾きは部分的にありますが控えめで、エレキギターの音をじっくりと感じれる曲です。
重厚感のあるバックのギターリフと哀愁あるメロディが良い味を出しています。
3,
BLADES OF THE BROTHERHOOD
ネオクラシカルなメロディが次から次へと押し寄せる美しい曲です。
超高速になりすぎない絶妙な速弾きが心地良く、キラキラしたキーボードが重なり泣きの演奏も交え、ダークな部分と晴れやかな部分を両立した構成になっていると感じます。
4,
DEEP SPACE #Ⅱ
ファンクロックな雰囲気のサウンドをテクニカルにハードな演奏で聴かせてくれます。
キーボードとの掛け合いやベースの主張も目立ち、メロディや曲構成よりはプレイをダンサブルに感じれるフュージョンといった感じです。
5,
NOCTURNE
クラシック音楽の雰囲気を心地よい速弾きで表現している極短な曲です。
隙間なく押し寄せる流れるような演奏がとても素晴らしいです。
6,
DISCOVERY
ザクザク刻むギターリフと重厚感のあるギターリフが印象的なサウンドで、そこに重なるテクニック重視のメロディ演奏が格好良い曲です。
シュレッドと言葉がピッタリのエッジの効いたプレイがたっぷり楽しめ、キーボードソロなど展開も格好良いです。
7,
WING COMMANDER
このアルバム1番のキラーチューンになっていると思います。
極上のメロディック・スピードメタルで終始速弾きで彩られており、クラシカルなメロディをしつこくない程度に織り交ぜ、ツーバスで疾走するサウンドに乗せてキーボードとのユニゾン速弾きがとても美しい曲です。
ライブでは大歓声で盛り上がること間違い無しの良曲です。
8,
MARCHERS OF VALHALLA
重厚感のあるミディアムテンポのフュージョン寄りな曲です。
伸びのある綺麗な演奏から急に速弾きに転じる部分が聴きどころだと思います。
メロディも大事にしつつ熱いテクニックがたっぷり聴けます。
9,
PATH OF THE HERO
疾走感抜群のジャーマンメタルを感じさせるギターのハモリメロディから始まり、いったん失速させじっくり聴かせるテクニック演奏にシフトする、展開の素晴らしい曲です。
テンポに合わせた疾走速弾きと、演奏自体の速弾きの両方ともが詰まった曲としてはこのアルバムで1番だと思います。
わたくし個人的には7曲目の方が好きですが、こちらもライブでは負けず盛り上がる事間違いなし。
10,
RUBBER DUCK
(日本版ボーナストラック)
ソウル、R&Bなノリのサウンドに乗せてテクニカルな速弾きを聴かせてくれる曲です。
演奏は素晴らしいですが、メロディがあまり良くないので、テクニックに注目しダンサブルに身体で感じる曲だと感じます。
最後に
プレイヤーのソロ作品として出るインスト作品は、演奏テクニックを披露する意味合いもあると思うので、メロディ重視であることが比較的少ない印象ですが、こちらの作品はほとんどがメロディアスさに重きを置いてくれているので、何度でも聴きたくなる作品だと思います。
最初にも書きましたが、ギターでの1音1音綺麗に発せられる速弾きは、やはり芸術だと感じます。
そんなハイレベルなプレイを高次元でプレイする素晴らしいギタリスト、クリスティアン・ミュンツナーの音を体感して、極上の速弾きに酔いしれてみるのはいかがでしょうか。
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